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潜入当日の早朝。
今日Aは昼までに準備を終わらせて、動き出すのは夜。
『…最悪な案件引いたな』
潜入用の衣装や装飾品、香水を持ってほぼ自室と化した仮眠室に入って愚痴るA。
そこにコンコンコン、と丁寧に3回ノックされる。
『はぁーい棗たんでしょ?』
棗「よくわかりましたね」
『ノックの音の間隔。あと普通にこの時間来るの限られてるし』
棗「流石です。それより、これ」
出されたのは先日の行方不明者の件数と、オンジュの依存者の年齢層や推定人数。
『まだ調べてくれてたの?』
棗「この件、潜入は止めるべきです。この事件、ただのヤク物売買だけで済む話ではありませんよ」
棗が必死に止める中、Aは持ってきた装飾品のチョーカーを首に着ける。
『…大方、わざと金銭的に自立してない子を狙うことで、払えなくなった時に身体で払わせてるんだろうね。国内ならず海外に売り飛ばすなり、臓器売買なり。
オンジュは薬としてお金を巻き上げる道具じゃない。女の子を逃げられないようにする為のエサだったんだ。本当の目的は女の子を売ること。だから安価で一気に流行した』
棗は唖然とした。気付いていて、この人は潜入するというのか…?
棗「分かっているならどうして、」
『作戦は強行される。でもそれされるとさぁ、犯人深く潜っちゃうでしょ?ドーパーかも知れない可能性がある以上、接触したい』
棗「それより自分の身を守ってくださいよ!」
珍しい棗の大声に、駆け足で事務所に入ってきた葛城と才木と綿貫。
『ん、おはよ。棗たん、その扉開けられたままだと着替えられないんだけどー』
棗「開けてて着替えられないなら開けておきます」
才「えっ!?」
話が分かっていないメンバーは目を点にした。あの棗が、こんなに怒っているのは見た事が無いからだ。
『…ハァ』
大きく溜息を吐いたあと、Aは扉が開いているのも気にせず、畳んであった掛け布団を被ってその中で着替えだした。
それには思わず棗も頭を抱えた。
陣「はざーす。ん?皆して何見て…」
陣内が入ってきて早々メンバーがあんぐりと口を開けているのを見て、その元凶はなんだと追った。そして彼も口を開けた。
『ん…よし、案外着替えられるな』
Aがバサリと自分を覆っていた布団をまた畳むと、扉の方を見た。
『あぁ、鉄平も来たの。はよ』
陣「…何が、起こってるか説明貰えるよね?」
その視線はAと棗に向いた。
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ましろ(プロフ) - 式波さん» 一気読みありがとうございます!しかも私の癖まで共感いただき…DOPE終了まで駆け抜けます!応援ありがとうございます! (8月24日 1時) (
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式波(プロフ) - 最高すぎて一気読みしました😭😭主人公ちゃんいじめちゃうの癖なので助かりすぎました更新頑張ってください応援してます🥲💕💕 (8月24日 0時) (
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ましろ(プロフ) - いとさん» ありがとうございます!引き続き、よろしくお願いします! (8月13日 21時) (
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いと - caseBもすごく面白かったです!番外編も楽しみにしてます(^^) (8月13日 19時) (
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ましろ(プロフ) - いとさん» 嬉しいコメントありがとうございます!現在5話目を執筆中ですので、書き終わり次第あげていきます。どうぞよろしくお願いします! (8月13日 0時) (
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作者名:ましろ | 作成日時:2025年8月7日 10時


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