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そこへ近付く足音。2人が振り向くとそこには才木がいた。
『…え?才木ちゃん、取り調べに入ってなかったっけ?』
才「あ…自供はまだですが、状況証拠的にやはり莉子さんは覚醒剤を作っていますね」
首を傾げつつ、改めて荷物を確認する葛城に声をかけるA。
『パパさん的には、どう思いました?』
葛城がAを見る。その目は互いに確信に近付いている目だった。
葛「何か違う気がする。あの子は小さいときからきちんと整理整頓する子だった」
『こんな適当に詰め込む筈がない、と』
才「何が言いたいんですか」
葛「犯人は別にいる」
と、ここで葛城の特別な耳は異常な音を拾う。
早くなっていく鼓動。心臓の音。
隣で葛城が耳を使う様子を見ていたAは、真逆と思い後ろを振り返る。
『課長!避けて!』
才「うわあああ!」
突然刃物を振り回しはじめた才木。いや、才木に極限まで似た誰か。
その誰かはもう、葛城とAは分かっていた。
『大人しくしろ木下!』
狭い部屋での攻防戦、得物の有無の差はあるもののやはり日々の経験が違う。
Aは木下の首に腕を回し地面に押し付けた。そのまま葛城も加勢し、木下が逃げられない状況へと進めた。
だが彼の抵抗は終わらない。
近くにあった薬瓶を左手で拾い、葛城の頭へと打ち付けた。
葛「うっ!」
『かちょ…!』
才「ぐっ…なんだよコイツ…」
じたばたと身体を捩りながら、時折Aの方を見ている。
Aは変わらず抑えているが、少し呼吸が乱れてきている。
意識が一時的に朦朧としながらも、葛城は木下が持っていた筈の刃物を探すとソレはすぐに見つかった。
葛「A!?」
ソレは木下によって、深々とAの左の脇腹へと刺し込まれていた。
葛「くそっA、離せ!」
『でも!』
葛「命令だ!」
それでも力を緩めないAから葛城は無理矢理木下を引き剥がす。
『確保優先でしょ!』
葛「バカかお前!」
言い合っているうちにも木下は得物を振り上げる。
狙うのは、憎い葛城莉子の肉親。
才「うわあああ!」
『課長、』
葛「A!」
葛城がAを包み込んで庇おうとした時、木下の体は簡単に後ろに吹き飛んだ。
『え』
葛「綿貫…」
綿「大丈夫で……A!?ちょ、これ!」
『光ちゃぁん…力抜けるわぁ』
綿「抜けないでお願いだから!これやったのアイ、ツ…え?才木?」
『フフッ今思えば凄い状況』
綿「笑ってる場合?」
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ましろ(プロフ) - 式波さん» 一気読みありがとうございます!しかも私の癖まで共感いただき…DOPE終了まで駆け抜けます!応援ありがとうございます! (8月24日 1時) (
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式波(プロフ) - 最高すぎて一気読みしました😭😭主人公ちゃんいじめちゃうの癖なので助かりすぎました更新頑張ってください応援してます🥲💕💕 (8月24日 0時) (
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ましろ(プロフ) - いとさん» ありがとうございます!引き続き、よろしくお願いします! (8月13日 21時) (
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いと - caseBもすごく面白かったです!番外編も楽しみにしてます(^^) (8月13日 19時) (
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ましろ(プロフ) - いとさん» 嬉しいコメントありがとうございます!現在5話目を執筆中ですので、書き終わり次第あげていきます。どうぞよろしくお願いします! (8月13日 0時) (
レス) id: aa54ca032f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ましろ | 作成日時:2025年8月7日 10時


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