1本目 ページ2
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「あっ」
足元にある薄い手帳を見下ろす。
紺色の表紙に真ん中には金色の菊。
ああ、見たことがあった。
私の家にも同じものがある。
先程ぶつかった人が落としていったのだろう。
これは、、
「…パスポートだ」
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肌寒い
しかしマフラーやコートを着るにはまだ早い、そんな季節の変わり目。
東京の友達と遊ぶために東京まで旅行に来ていた私は今何故か全力疾走をしている。
遡ること5分前。
友達と街を歩いていると、人を避けながら走っている大荷物を持った大きな男の人と軽くぶつかった。
こちらが謝る前に「すみません！」と叫ぶようにして走っていった。
その大きなガタイとの接触で吹っ飛ばされそうになり友達に支えて貰いながらふと足元を見た。
足元にはご察しの通り紺色のパスポートがあり、そひて今に至る。
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交番に届ければ良い、とも思ったがあの大荷物に尚且つパスポートまでも持っているとなれば行先は空港。
しかもここから遠くはない。
友達には先にホテルに戻っているようにと伝えて見えない大きな体の男の人を追う。
旅行中に何故こんなに全力疾走をしているのだろう、とつくづく自分の世話焼きな面を恨む。
いつもよりも気合いの入れたメイクは汗で寄れてきているだろうし、お洒落にキメた固めの靴のせいで靴擦れ気味だ。
これを届けてホテルに戻るまでに良いことをした私に何かデザートを買ってやろうと心に誓い大きな空港の入口をくぐった。
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、
「はあ、はあ、しにそ…」
肩で息をしながらもヨタヨタと旅客ターミナルに向かう。
お目当ての大きな体の男の人を探すも自分の頭に彼の顔が浮かんでこない。
これでは見つけられない、と手にあるパスポートを開き彼の顔を見る。
プライバシーの侵害と言われたらそこまでだが今私はいい事をしているのだから大目に見て欲しい、ごめんなさい。
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「…西田、さん」
顔と名前を覚えて顔を上げると目の前に身長の高い男の人の集まりがいた。
久しぶりの全力疾走で整わない息を正しながら、見覚えのある大きな男の人に近づく。
゛なんで国内線なのにパスポート持ってきたんだよ!!゛
゛うっかりしてたんス!!あああ、どうしよう!゛
数十分前の「すみません」の声が私の中で一致した。
「あの、!!」
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雪 - 43ページ42本目文章おかしいです (2019年11月17日 20時) (
レス) id: e28ee6ef13 (このIDを非表示/違反報告)
21子(プロフ) - 更新めちゃめちゃ楽しみにしてます！！ (2019年11月14日 21時) (レス) id: fe40dbd9a4 (このIDを非表示/違反報告)
リタ(プロフ) - 更新楽しみにしてます！ (2019年11月13日 16時) (レス) id: 46e4a96814 (このIDを非表示/違反報告)
わかな - 更新ばり楽しみです (2019年11月7日 23時) (レス) id: 5c2b6ff2d8 (このIDを非表示/違反報告)
ひかるん(プロフ) - コメント2回目です笑夢主のバレーがどう成長していくけ楽しみです！落ちも楽しみです…笑更新頑張ってください！ (2019年11月7日 22時) (レス) id: 1f4ce4e8e2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：海獅子
| 作成日時：2019年11月4日 17時
