猪突猛進 ページ7
眩いばかりの光が収まると同時に、糸で操られていた隊員達は動力を失ったかのように次々と崩れ落ちた。
あれだけ鼻についた刺激臭はなくなり、
目視出来る限りでは子蜘蛛は一匹も見当たらない。
彼女が、全てを灼き放ったの言うのか
音一つ立てずに目の前に舞い降りたAは、
炭治郎が知っている彼女とは少し雰囲気が異なっていた。まるで、神々しい女神を目の当たりにしているような感覚。
突如として流れた
「A姉さんなのか?..」
振り返る彼女は紛れもなく、愛しい姉であり
匂いも勿論違わない。でも、
彼女は、炭治郎と別れていたこの数日間で、
何かが変わっていた。
「詳しい話は後にしましょう。今私が灼いたのは、半径30メートル程の範囲のみなの。糸を操る親玉はまだ先だわ。炭治郎、匂いはあといくつ?」
炭治郎は彼女のお陰で自由に効くようになった鼻で、鬼の本体を探る。
「あと、2つだ。」
「おい!!いきなり出てきて何なんだお前!妙な傘被りやがって殺すzっ」
伊之助が言葉を言い切る前に炭治郎は伊之助の頭を殴る。怒りを露わにして叫んだ。
「彼女は味方だ!助けてくれたのに初対面で失礼だろ伊之助!」
伊之助は隊員同士の小競り合いは御法度なんだろうと捲し立てたが、炭治郎はあまり聞く耳を持っていないようだ。Aは少し頭を抱えた。
「伊之助君初めまして、私は鬼殺隊の竈門Aと言います。炭治郎の姉です。私も、鬼の討伐に協力するから宜しくね」
そう握手を求めると、伊之助は紋次郎の姉ちゃんかと驚いた様子を見せる。とりあえず、利害が一致している事は理解してくれたようで手を取ってくれた。
それを少し面白くなさそうに見つめる炭治郎には、敢えて気付かないフリをしておこう。
「よし!気配はあっちの方向だ!行くぞ紋次郎!きな子!」
糸から解放された者達は村田さんに後をお願いして、
伊之助が先陣切って走っていく方向を2人も追っていく。すると目の前に現れたのは、カマキリのような鋭い鎌を持った鬼だったが、それは、
首から上が存在しなかった。
炭治郎が斜めに袈裟斬りにする事で倒せるのではないかと提案すると、伊之助が猪突猛進していく。
彼は作戦を練って戦闘の流れを作る炭治郎とは異なるタイプだ。
全く連携が取れていない、まずい...
鎌の切っ先が伊之助を穿つ直前、Aの刃が鎌を削るように受け流し、間一髪で力の方向を逸らした。
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八千代(プロフ) - Sun moonさん» ありがとうございます(*´-`)むいくんは天使 (2020年11月24日 20時) (レス) id: 23228d6fd7 (このIDを非表示/違反報告)
Sun moon - むいくんが可愛い(真顔) (2020年11月24日 17時) (レス) id: 73a4d7a977 (このIDを非表示/違反報告)
八千代(プロフ) - ゆずポンさん» 1話から見直してくださってるなんて...有難いです(;ω;)ありがとうございます!キャラの気持ちの変化だったり意識して書いてみてるので、何か違った発見がゆずポンさんの中であったらいいなぁと思います。 (2020年9月6日 15時) (レス) id: 769605b6ca (このIDを非表示/違反報告)
ゆずポン - 八千代さん» そうですか!今1話から読み直してます。何回見ても面白ですね! (2020年9月6日 15時) (レス) id: 6633b9c75f (このIDを非表示/違反報告)
八千代(プロフ) - ゆずポンさん» コメントありがとうございます。すみません、炎炎ノ消防隊はアニメ1、2話見た程度で全然詳しく無くて(泣)日本神話の神様なので結構色んな作品に使われてるようですね! (2020年9月6日 14時) (レス) id: 557e2177e8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:八千代 | 作成日時:2020年2月4日 13時