伝令 ページ23
「動けるか」
義勇がここで炭治郎に問いかけた。
その一言には、【ここは食い止めるから逃げろ】と言ってくれているように感じた。
動けるかと言われても..身体中鉛のように重く筋一つ動かしただけで激痛が走るザマだ。
だけど
「動けなくても根性で動け。妹を連れて逃げろ」
「っ、すみません!ありがとうございます!」
炭治郎は彼に礼を言って気を失っている禰豆子を抱き上げた。A姉さんは助けてくれると言っていたから、恐らく大丈夫だろう。今は禰豆子を彼女から引き離さなければ。
炭治郎は稲妻のように走る激痛を無視して、枯れ土を踏み込んだ。
しのぶはピキリと青筋をたてて義勇を責め立てる。
「どういうつもりですか?冨岡さん。鬼を逃す行為、及び鬼殺の妨害、これは立派な隊律違反ですっよ!!」
刀を振り翳し冨岡に向かって攻撃を放つ。
しかし彼もまた真っ向で対立し、彼女の動きを封じ込めた。
ギリギリという攻防戦が続くが、冨岡は無言を貫く。
ついにしのぶが痺れを切らした。
「冨岡さん知ってたんですか?Aさんの家族に鬼がいる事」
「....」
「知ってて見過ごしていたという訳ですか?確かに、彼女を本部に呼び出したあの日、こちらの条件の代わりに彼女が提示したのは家族を守ってほしいという願いでした。でも、この事実を私があの時知っていれば、いくらお館様との契りでも許しはしませんでした。冨岡さんは、あの時既に知っていたのですか?」
言葉を選んでいるんだか、詰まっているんだか
黙ってる状態では全くわからないので
しのぶは苛つき始めた。
「何とか仰ったらどうですか?そんなだから皆に嫌われるんですよ」
皮肉を込めてそう言うと、彼はようやく口を開いた。
「あれは確か2年前..」
「そんなとこから長々と離されても困りますよ。嫌がらせでしょうか」
この2人はどうしてもそりが合わない。
会話でどうにかわかり合う事もなく、
かと言って物事の価値観も意外と合わないのだ。
しのぶは強硬手段に出る。
上半身を羽交い攻めにされたまま、グイッと足を反らす。布
恐らく、毒が表面に塗られている物に違いなかった。
彼女の刃が冨岡を捉えようとしたその時
「伝令‼伝令‼伝令アリー‼
炭治郎ト禰豆子両名ヲ拘束、本部へ連レ帰ルベシッ‼」
「「!」」
本部からの伝令..
ならば仕方がないか。
しのぶは体の力を抜いた
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八千代(プロフ) - Sun moonさん» ありがとうございます(*´-`)むいくんは天使 (2020年11月24日 20時) (レス) id: 23228d6fd7 (このIDを非表示/違反報告)
Sun moon - むいくんが可愛い(真顔) (2020年11月24日 17時) (レス) id: 73a4d7a977 (このIDを非表示/違反報告)
八千代(プロフ) - ゆずポンさん» 1話から見直してくださってるなんて...有難いです(;ω;)ありがとうございます!キャラの気持ちの変化だったり意識して書いてみてるので、何か違った発見がゆずポンさんの中であったらいいなぁと思います。 (2020年9月6日 15時) (レス) id: 769605b6ca (このIDを非表示/違反報告)
ゆずポン - 八千代さん» そうですか!今1話から読み直してます。何回見ても面白ですね! (2020年9月6日 15時) (レス) id: 6633b9c75f (このIDを非表示/違反報告)
八千代(プロフ) - ゆずポンさん» コメントありがとうございます。すみません、炎炎ノ消防隊はアニメ1、2話見た程度で全然詳しく無くて(泣)日本神話の神様なので結構色んな作品に使われてるようですね! (2020年9月6日 14時) (レス) id: 557e2177e8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:八千代 | 作成日時:2020年2月4日 13時