真実の絆 ページ14
この鬼の少年は今、何と言った?
俺の姉さんになるといいと、そう言った。そんなの
「なるわけないわ。私には既に、自分の命より大切な弟と妹がいるのだから。」
強い眼差しでそう言うと、彼は驚くべき事に気を悪くするでも怒り出すでもなく、ぱちぱちと両手を叩きAを
「素晴らしいよ!その家族を思う気持ち、まさしく本物の絆だね、愛だよ。君のその愛、欲しいなぁ...」
「っ!!」
彼は一瞬にして間合いを詰める。
早い。
見た目で言えばこの鬼は、一番最年少の位置付け。
なのに、さっきから感じるこの息の詰まるような圧迫感はなんだ。
「君の弟と妹は、今どこ?そいつらを殺せば、君は姉さんじゃなくなるね。」
ぞわりと全身の身の毛がよだつ感覚を覚える。
鼻先が付き合いそうな距離で少年の瞳の奥を見た。
珠世さんが言っていた言葉を思い出す
この鬼は
その時、見慣れた呼吸の波動を感じ取った。
目を向けると炭治郎が上空から地に叩きつけられそうな勢いで飛ばされて来たが、弐ノ型で衝撃を相殺し着地した。
あぁ、よりにもよってこのタイミングでっ
「...お前、A姉さんから離れろっー!!」
状況を把握するや否や、みるみるうちに炭治郎は青筋を立てて、彼女と鬼の間に刃を振り下ろした。
激しい衝撃と土埃があたりに広がる。
Aを守るように背に回して刀を構える炭治郎を見て、そうかお前が弟かと呟くと、塁は不思議そうに首を傾げる。
「弟なのに、全然似てないじゃないか。髪も瞳の色も、顔形も何もかも。本当に家族なのか?」
!
Aは震える身体をひしと抑える。
ずっと昔から胸に抱いては消して来た。ある感情。
紛い物と指摘され初めて実感した..。
私は
「見てくれは関係ない!家族も仲間も強い絆で結ばれていればどちらも同じように尊いんだ!血の繋がりが無ければ、薄っぺらだなんて事はない、俺はA姉さんと本当の家族と同じような絆を築いてると思っているし、自分の命より大切な守るべき人だ!」
「っ...」
炭治郎は迷う事なくそう叫んだ。
鬼の少年は、面白くなさそうに徐々に顔をしかめ始めた。尚も炭治郎は続ける。
「お前達からは恐怖と憎しみと、嫌悪の匂いしかしない。そんな絆は偽物だ!」
その言葉を聞いた途端、彼は目蓋をピクリと震わせた。後ろから攻めて来た鬼殺隊員を瞬時に細切れにする。重い空気が炭治郎達にのしかかった。
「お前、今、何て言ったの?」
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八千代(プロフ) - Sun moonさん» ありがとうございます(*´-`)むいくんは天使 (2020年11月24日 20時) (レス) id: 23228d6fd7 (このIDを非表示/違反報告)
Sun moon - むいくんが可愛い(真顔) (2020年11月24日 17時) (レス) id: 73a4d7a977 (このIDを非表示/違反報告)
八千代(プロフ) - ゆずポンさん» 1話から見直してくださってるなんて...有難いです(;ω;)ありがとうございます!キャラの気持ちの変化だったり意識して書いてみてるので、何か違った発見がゆずポンさんの中であったらいいなぁと思います。 (2020年9月6日 15時) (レス) id: 769605b6ca (このIDを非表示/違反報告)
ゆずポン - 八千代さん» そうですか!今1話から読み直してます。何回見ても面白ですね! (2020年9月6日 15時) (レス) id: 6633b9c75f (このIDを非表示/違反報告)
八千代(プロフ) - ゆずポンさん» コメントありがとうございます。すみません、炎炎ノ消防隊はアニメ1、2話見た程度で全然詳しく無くて(泣)日本神話の神様なので結構色んな作品に使われてるようですね! (2020年9月6日 14時) (レス) id: 557e2177e8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:八千代 | 作成日時:2020年2月4日 13時