空で出逢ったキミ。2

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再び走り出したタクシーの中……




「ねぇ、無理無理！
本当に！帰る！！お願いだから降ろしてー！」





相手が天下のジャニーズの玉森くんということを忘れて、腕を掴んで揺さぶる。




ねぇ、なんで何も言わないの？



ねぇ、運転手さんもこの状況で普通に運転するっておかしくない？





「お家帰してー！！」



「だから帰るって」



「私の家じゃないもん」



「入れない家に帰ってどうすんの？」



「っ…、」






図星なことを顔色ひとつ変えずに言われて言葉に詰まる。



だって、だってだよ？


相手は玉森くんだよ？






「…お客さんと、こんなの良くない。」



「都合よくCAを理由にしない」



「っ…、」






……もう何も言えない。



いや、私なんかが何言っても言い返されるから。





もう何も言わない。


黙ってることを決めた。








「俺は別にCAとか関係ないから」



「…え？」



「Aちゃん、CAだから連絡先聞いたって言ってたけど。そんなんじゃないから。」



「………」







窓に頬杖をついて外を見てる玉森くん。



表情が見えないけど、その言葉を聞いた瞬間に胸がギュッと苦しくなる。






「……っ、ごめん……」



「………」







私、玉森くんに凄く失礼なこと言ってた。




合コンで会う人も機内で連絡先聞いてくる人も、みんなCAという職業が好きなだけで、



“ CAを連れてる俺 ”


“ CAと付き合ってる俺 ”



に酔いたいだけだと思ってた。



……ううん。


実際に大半がそういう男だった。




私という人柄を見ようとしてくれた人いなかった。




気遣いができるイメージを崩したくなくて相手の先を読むように気張って。


相手の友達に紹介される時はCAという肩書きが必ず付いて。


だからこそ余計にまたイメージ崩さないように頑張ってた。




だからつい今回も玉森くんに愚痴っちゃって……。




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