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洗い物を終えて時間を確認しようとスマホを見たら、不在着信が来ていたことに気付いた。
相手は坂田さん。
そう、留学に行ってしまった御曹司。
今月帰国するって言ってたけど、その連絡なのかな。
すごく律儀な人だから……。
「……あ、ちょっとごめん。
私、電話してきてもいい?」
2人で何やら盛り上がってるところに一声かけてリビングから廊下に出る。
すぐに折り返しの電話をかけてスマホを耳に当てた。
《…もしもし、》
「っ…、あ、坂田さん?
電話、ごめんなさい…!」
《Aちゃん、久しぶり。
元気にしてた?ごめんね、急に電話して。》
「あ、いえ…全然。」
《昨日の夜、日本に帰ってきたんだ。
具体的な日程伝えてなくてごめんね?
実は卒業の手続きでバタついててさ。》
「…そうなんですね。お疲れ様でした。」
この2年間、正直待ってたわけじゃなかった。
正式にお付き合いしてたわけでもないし、向こうも待っててほしいとは言えないって言ってたし。
たまたま、本当にたまたま、この2年間で彼氏ができなかっただけ。
《…近いうちに会えないかな?
これからについて改めて話したいと思って。》
「…えっ。あ、そうですね……」
《…それとも、他に良い人できちゃった?》
「…あ、いやー……、」
ふと頭に浮かんだ玉森くんの顔。
リビングのドア越しに視線を向ける。
…なんで。
なんで今、玉森くんなの。
相手は芸能人。
天下のジャニーズ。
好きになるわけない……。
「っ…いえ、いませんよ!そんな人。」
《そう?良かった〜。
そしたらAちゃんの都合のいい日また教えて?
俺はいつでも大丈夫だから。》
あぁーまた私、嫌われたくないから良い顔してる。
仕事を辞めるつもりのない私にとって、坂田さんとの将来は考えられないのに……
結局、私。
キープを作りたいだけなのかも。
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にかみつば(プロフ) - たまたま見つけて読ませてもらってます☺️北山くんが来てなんだか楽しい展開になってきて続き読むのが楽しみです🥰 (6月27日 1時) (レス) @page30 id: a0721de2a5 (このIDを非表示/違反報告)
珠美(プロフ) - りょうこさん» 初めまして!コメントありがとうございます!どうやら私の設定の問題でしたね…ご指摘感謝です!変更したので引き続きよろしくお願い致します(^^) (2021年6月28日 12時) (レス) id: 60f3e03fcf (このIDを非表示/違反報告)
りょうこ(プロフ) - 更新ありがとうございます。いつも楽しく拝読しています!機能のせいなのか、更新されたストーリー番号の横に【NEW】が表示されるといいなーって密かに願ってます。 (2021年6月28日 12時) (レス) id: c2325c836d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:珠美 | 作成日時:2021年6月21日 14時