＊* ページ8
.
「これ見て決めた。
私、絶対赤は着ないって」
巧見からの腹立たしい無神経なLINEについ気持ちを抑えられなくて、「良くないこと？」なんて優しく聞かれたから太輔くんに愚痴っちゃって。
声のトーンといい、表情といい、太輔くんには人の心を穏やかにする不思議な力がある。
「うん、いいんじゃない？赤着なくても」
「えっ？」
「俺は赤よりもパステル系っていうの？淡い色の方が似合うと思うけど。薄いピンクとか」
「……」
「だってほら、Aちゃんピンクのものたくさん持ってるし！」
私のカバンに視線を向けた太輔くん。
確かにそう。
財布もキーケースもスマホケースも、そしてこのカバンも。
昔からピンクが大好きで、持つもの全てを濃淡に関わらずピンクにこだわってきた。
「太輔くん、よく見てるね」
「それだけ揃ってたら自然と目に入るよ(笑)」
周りの人にも�爛團鵐�=私�瓩離ぅ瓠璽犬�つくくらいピンクが好き。
にしても、私のことよくわかってる。
確かに、巧見に「何色のドレス着たい？」って聞かれた時、イラッとしつつも頭に浮かんだのは淡いピンク色だった。
「巧見より太輔くんの方が私のことわかってる」
「…そう？」
「出会って間もないのに…」
「期間も確かに大事かもしれないけど、それ以上に相手を知りたいって思う気持ちなんじゃないかな？」
太輔くんの言葉がストレートに胸に響く。
期間だけじゃない。
大切なのは�犁せ�ち�瓩覆鵑世辰董�
今の私にとって巧見に対する気持ちって何だろう。
気分が乗らなくても一方的な欲望で抱かれる始末。
ゴムを買い足しとけと乱暴に言われる始末。
私たちに愛情なんてものはない。
「…太輔くん…、」
「ん？」
私ね、
ちょっとわかった気がする。
「この間のこと…」
「……」
「太輔くんは、どうして私としたの？」
「…それは……」
「気持ち、あったの？」
太輔くんとのあの日以来、巧見とできなくなった。
気持ち悪くて、不快で、仕方なかった。
それがどうしてなのか……
少しだけ、わかった気がする。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 189人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「Kis-My-Ft2」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：珠美 | 作成日時：2021年9月15日 12時
