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「ねねね、ガヤさん車だよね？」
「ん？そうだけど？」
休憩のために一度楽屋に戻る途中、千賀が俺の顔を覗き込んで目を輝かせて見つめてくる。
「乗ってってもいい？」
「別にいいけど。送るの家でいいの？」
「うん！振り付けのことで相談があってさ」
あっ、やべ。動画まだ見てないわ。
この休憩中に見ておかないとだよな。
楽屋に入ってスマホを手に取ると、思いがけない新着メッセージの通知に心が跳ね上がる。
〉いいよ！何時に終わる？
受信したのは3時間前。
俺が楽屋を出てすぐだ。
〉17時に地下駐車場に来られる？
テレビ局のURLと一緒にメッセージを送る。
今日自分の車で来てて良かったわ。
マネージャーと一緒だったら仕事終わりすぐに会うのは無理だった。
「ガヤさん、俺も車乗りたーい」
「…っ、？！」
「…なんだよ、そんな驚いた顔して」
AちゃんにLINEを返してたら、後ろから急にニカが肩を組んできて握ってたスマホを落としそうになった。
「いや、普通にびっくりした…」
「ねえ、俺も車乗せて？
急いで帰ってゲームの続きやりたいんだ」
「あぁー…そのことなんだけど、」
「それに振り付けのことで千賀に相談したいし」
「あっ、いや、ニカ…、」
千「どっひゃー！！焼肉弁当来たー！！」
二「えっ？！嘘！まじかよ！！」
北「俺カルビ、カルビ、カルビー！！」
…あぁーニカさん。
焼肉弁当に釣られて行っちゃったか。
どうしよう。
Aちゃんと待ち合わせしてんだけどな。
二人も車には乗れる。
うん、乗れるけど、乗せたくないのが本音。
だって騒ぐのが目に見えてわかるから。
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作者名：珠美 | 作成日時：2021年9月15日 12時
