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飛行機が到着して、ドアが開くと俺らも席から立ち上がる。
人の流れに合わせて出口に向かってる時、後ろからクイッとシャツの裾を引かれた。
「……?」
「玉!見て!出口!」
小声でも興奮してるのがわかるミツ。
ミツの視線を追うように、帽子を少し上げて視線を移すと笑顔でお見送りするAさんの姿。
「くぅー!これで見納めかぁ……」
悔しそうに泣き真似をするミツを見て、何言ってんだ…と呆れる。
「ありがとうございました。」
……あと数mで出口。
いつも無言で伏し目がちに降りる俺。
「キタキタキタキタ…!」
後ろから小声で興奮するミツの声がする。
「お気をつけていってらっしゃいませ。」
前を通る瞬間に聞こえた言葉。
思わず顔を上げる。
その瞬間に合った目。
「…っ、」
ニコッと微笑まれて、咄嗟に逸らす。
「ありがとうございましたー!」
すぐ後ろで明るくお礼を言ってるミツの声。
ヘラヘラしてるミツが今は物凄く羨ましく感じる。
「なぁ、見た!?
近くで見たらやべぇ可愛かった。」
「………」
「あぁー名刺渡せば良かった」
「名刺ねぇじゃん」
「…やけに冷静だな。
ま、玉のタイプじゃねーか。」
俺のタイプ?
ミツはどんなのイメージしてんの?
空港から移動する車の中でもずっと興奮が止まないミツに、
二「ええーそんな綺麗な人いた!?」
千「あ、たぶんその人、俺も見た!」
横「ええー俺ずっと寝てたわ」
北「Aさんだよ?」
宮「えっ、わざわざ名前聞いたの?」
北「名札見た!」
藤「あぁー俺も見た。最初に乗った時。」
北「うーわっ。さすがムッツリ。手出すの早っ」
藤「出してないわ(笑)」
みんなも盛り上がってて、俺は蚊帳の外だった。
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作者名:珠美 | 作成日時:2021年6月18日 8時