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数分して戻ってきたAさん。
すぐに新人さんが駆け寄って何やら説明してる。
それを聞いてる新人さんはホッとして笑みが溢れた。
何度も頭を下げる新人さんに「大丈夫、大丈夫。」と言ってるように彼女は背中を擦ってあげてる。
あぁーあの感じ。
きっとすげーいい先輩なんだろうな。
そんなやり取りを勝手に見てて、俺の心もなぜか温かくなる。
『この飛行機はあと10分で降下を開始し、シートベルト着用のサインが点灯いたします。』
到着前のアナウンスが入って、CAさんたちがそれぞれ慌ただしく業務に戻っていく。
なんか、今日初めてまともに飛行機に乗ったって感じがした。
いつも寝ちゃって気付いたら到着って感じだもんな。
その時、ゴソッと動き出したワッター。
「ん…っ。
あ、玉。俺ずっと寝てた？」
ええ、座ってすぐ寝てましたよ。
「もう着くよ」
「んんーっ！よく寝た！」
伸びと同時に顔に乗っかってたハットが膝の上に落ちる。
「ん、何これ。」
「あ、ワッター飲み物もらう時に寝てたからその印で貼られるみたいだよ。」
CAさんたちが寝てた人を把握できるような印のシールをワッターが剥がして見る。
「へえー。玉は？起きてたの？」
俺はさっき彼女が飲み物持ってきてくれた時に剥がされた。
「…特製ジュースもらった。オリジナルなんとかってやつ。」
あぶねっ。
“ Aさん特製 ”って言いそうになった。
誰それ？とか言われたら面倒そうだから、今日のことはミツと2人だけの秘密にしておこう。
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作者名：珠美 | 作成日時：2021年6月18日 8時
