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LINEの返信のことを謝られて、そんな気遣い全然いいのにって思いながら俺もつられて謝る。
そんな時に急に目の前に現れた男性が、馴れ馴れしく彼女の肩を抱き寄せた。
……え？彼氏？
なになになに。
俺、ここにいたらヤバくない？
「っ…ちょ、っと、
飲み過ぎじゃないですか…！？」
その男性から離れようとして必死に嫌がる彼女を見たら、俺の胸がぎゅっと苦しくなった。
間に入って止めた方がいい？
普通の男性ならそうするだろうけど、この男がもし俺のことを知ってたら……って思うと体が動かなくなる。
あぁーもう。
俺はなんでこんな時にも自分のことばかり。
保身的になってんだ。
「先に戻っててくださいっ…！ねっ？」
彼女になだめられて、ブツブツ言いながら去っていく男を俺はただ眺める。
うわぁー俺ダセーじゃん。
嫌がる女性を目の前に何もできなかった。
抱きつかれた腕を擦るようにしてる彼女の顔は嫌悪感が滲み出てる。
「……今ので、CAって軽いなって思いましたよね？」
急に暗く低いトーンで話す彼女。
軽い？なんで？
俺はただ、Aさんに詰め寄る男がやっぱりいるんだなって思っただけ。
たまたま俺が目にしたのはこの人だけで、きっと彼女の周りにはもっともっといるはず。
「今日は完全にハズレの日なんで。
上手いこと言って帰ります…！」
ハズレの日？
相手が悪いってこと？
……あ、もしやコンパ！？
友達とご飯と言ったのは嘘で、実は合コンだったってオチ？
なんだよ、もう。
男とデートかと思ったわ。
ホッと胸を撫で下ろすと、そのまま部屋に戻ろうとする彼女。
……待って。
「…あの……、」
俺は咄嗟に呼び止める。
「この後、一緒に飲みませんか？」
今日の彼女を独り占めにしたい。
さっきの男を見たら、男としての独占欲が俺の気持ちを掻き立てる。
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作者名：珠美 | 作成日時：2021年6月18日 8時
