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「…ちょっと、私トイレ。」
隣に座る麻里奈に声掛けたら「私も」って一緒についてきた。
個室を出て数歩進んだ瞬間、クルッと振り返った麻里奈。
「A!!まじごめーん!!!
今日のまじハズレ!!ここ最近で1番ないわ。」
「ええ?そう?
まぁ、凄い圧だけど……」
確かにお酒が入るとだいぶ面倒な人が多いというか、自慢話と空気の読めないガツガツ感に同期みんなが引いてるのが感じ取れた。
「次に繋げたい感、半端なくない?
私、あぁいうの無理だわ〜。」
「うん、まぁ確かに。」
お手洗いの前に着くと2つあるうちの1つだけが空いてる。
「麻里奈、先いいよ!」
「え?本当に?じゃあ、お先〜!」
麻里奈を見送って、空くのを待ちながらカバンからスマホを取り出す。
……あ、玉森くん。
受信したLINEの中に玉森くんがいた。
そういえば、朝返したっきりだった。
》お疲れ様です!
今日は休みですか?俺は撮影でした!
これからスタッフとご飯です!
なんだろう。
内容に思わず笑いが込み上げる。
小学生の日記みたいな……面白い。
「…あれ?隣まだ空かないの?」
トイレから出てきた麻里奈がまだ待つ私を見て驚く。
「え!?麻里奈、トイレ早くない?」
「え?そう?よく言われるけど(笑)」
「あ、先に戻ってて!
私ちょっとLINEだけ返して戻るわ!」
「うん、りょーかい!
……あ、今日は二次会、何が何でも阻止して帰ろうね。」
険しい顔して耳打ちしてきた麻里奈。
相当、嫌なんだろうな。今日の会。
でもこれだけ合コンしてればあるよね。ハズレの日くらい。
玉森くんからのLINEの返信を一旦保留にしてトイレに入った。
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作者名:珠美 | 作成日時:2021年6月18日 8時