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その後整備を呼ぶとかで、車の中で待機することになった俺ら。
「後日、見つかり次第連絡します」って言ってくれたらしいけど、少しの間だけ待ってダメなら帰ることにした。
スマホの時計を見れば間もなく日付が変わる頃…
みんなが力尽きて無言で目を閉じ、マネージャーのところに連絡が入るまで待つ。
この時間の空港ってこんなに静かで真っ暗なんだー……
出発ロービーのドアは施錠されて中は電気も消えて真っ暗。
人の出入りなんてもちろんない。
俺らの車の横を走り抜けてく無数のタクシーたちを窓からボーッと眺める。
……あぁー眠い。
深く息を吐いて俺もゆっくり目を閉じようとした時、
「………っ？」
車の脇の歩道を通っていく女性に目がいく。
航空会社の人かな？こんな時間に……。
無意識に目を向けて眺めてると、その女性が見てたスマホから視線を上げて顔が見えた。
……あっ。
思わず窓に張りつく。
…‥Aさんだ。
薄暗いのにわかる。
髪を下ろして、肩の出たラフなワンピースを着て、カーディガンを肩に掛けてる。
周りのメンバーを見るとみんな目を閉じて寝てる様子。
この気持ち、この興奮を、誰とも共有できないもどかしさに落ち着きをなくす俺。
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作者名：珠美 | 作成日時：2021年6月18日 8時
