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私は慎吾たちを引き連れて二年生のいる二階の教室へと向かう。
前から四番目あたりの窓側の席に、銀髪で眼鏡をかけた先輩がいた。
「センパーイ!はじめまして!私たちの都市伝説調査につきあってもらえませんか?」
その途端、ガシッと口を塞がれた。
慎吾が小声で私に怒る。
「お前なあ!いきなりすぎるんだよ!本題を言うのが!」
先輩に向き直った慎吾は、もう一度話し出す。
「お騒がせしてすいません、湊先輩。実は、この3人で都市伝説の調査に行くことになって、上級生が1人いると心強いので、ついてきてもらえませんか?」
楓もおどおどしながらも頼む。
「えっと…私からも、お願いします!」
湊先輩は、こちらを見上げたままなにも言ってくれない。
「……」
えっと〜そろそろしゃべってほしいなあ…?
「…断る。帰れ。」
は?口を開いたと思ったらこれ?
態度悪ぅっ!
てか、夏なのに長袖って、暑そ!
落胆と怒りのこもった表情で、私は仕方なく出口へ向かう。
「あーあ、彼岸神社と少女の謎、解きたかったなあ!」
「仕方ないよ。3人でやろう。」
彼岸神社、と言う言葉を出した途端、湊先輩の眉がピクリと上がる。
「彼岸神社と少女……?」
気づいた慎吾が説明する。
「あ、そうです。今回調べるのは、夜になると現れる少女と一本道で、その少女に声をかけると神隠しに会うって都市伝説で…」
皆まで言う前に、先輩はいきなり話を遮る。
「いいだろう。付き合ってやってもいい。」
いやいやいや。さっきまで拒否してたくせに!
不満が顔にダダ漏れになっていたのか、楓に諌められる。
「まあまあ。おかげで着いてきてくれることになったんだから、いいじゃない。」
「まあね〜…」
どう言う心境の変化か知らないけど、やっぱり口悪い!
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北条ひかり(プロフ) - 水無月歌乃@絵師さん» 褒めていただき、うれしいです!これからもよろしくお願いします! (2022年8月10日 23時) (レス) id: 690716307d (このIDを非表示/違反報告)
水無月歌乃@絵師(プロフ) - 冒頭から世界観に引き込まれました。とても素敵なお話ですね! (2022年8月10日 23時) (レス) @page2 id: bff6de7ecd (このIDを非表示/違反報告)
北条ひかり(プロフ) - 朱まぐさん» ありがとうございます!こちらも、更新頑張ります! (2022年8月5日 18時) (レス) @page8 id: 98e6601380 (このIDを非表示/違反報告)
朱まぐ(プロフ) - 初めまして、コメント失礼します。主人公達のやり取りが面白くて読んでいて楽しかったです!最新話に出てきた狐の正体や少女が言っていた言葉の意味などもとても気になります。無理せず作者さまのペースで頑張ってください! (2022年8月5日 17時) (レス) @page3 id: 36aa4bf6d2 (このIDを非表示/違反報告)
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