Chocolate Sling -2-

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「彼女さんと来てるんですかぁ？」




「はぐれちゃったんでしょ？見つかるまで私達と一緒に回りません？」




「いや…いいです、」




あぁもう、最悪すぎる。




Aの好きなベビーカステラの列に並んでたら、後ろに並んでた女2人組に絡まれてしまった。




語尾上げてくるとことか、マジで狙ってんのかってくらい典型的な俺の苦手タイプ。




「あっ、500円の1つ下さい。」




「はいよ！…おっ、兄ちゃんイケメンだね！どっちが彼女かな？」




「は？」




「ふふ〜私立候補しちゃおっかな？」




「じゃあ私も〜(笑)」




「…っ、ちょ……」




ギュッてまとわりついてくる腕に、思わず顔を顰めてしまう。




･･･触んなよ、気持ち悪い。




A以外の女にそんな風にベタベタされると、嫌悪感でいっぱいになる。




「ははっ、モテるのも大変だね？これ何個かサービスしといたから！」




おじさんの言葉に 苦笑いしか出てこない。




「ねぇ、名前教えてよ。」




「は？無理。」




「え〜名前くらいいいでしょ？」




「そうじゃなくて、その媚びた話し方が無理。車酔いしたみたいで気分悪いんだけど？」




「な…っ、」




「てかさぁ、俺が嫌がってんの分かんない？そんなんで逆ナンしてたら、いつまで経っても男引っ掛かんないよ？(笑)」




「なんなの…最悪っ、」




いや、最悪なのはこっちだから。




すんごい顔で俺を睨み上げてきたから、ニッコリ微笑んでやった。




「狙うならフリーな奴にしなよ。俺みたいに大事な彼女いる奴はね、こうゆう誘いには絶対に乗らないから。」




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さっきの入り口まで戻ってみたけど、やっぱりAはいなかった。




奥まで流されてったか･･･




さっき買ったたこ焼きを頬張りながら、スマホを手に取った瞬間、




「……あ、」




･････電池、切れちゃった。




いや、来る時まだあったよね？




この20分ちょっとの間に何があった？




呆然と立ち尽くす俺を、すれ違う人がチラチラと見てくる。




それもそのはずだ。




男1人入り口に突っ立ったまま、たこ焼き頬張って、ベビーカステラの袋腕にぶら下げて、スマホ見て固まってんだから。




「……あ、そうだ。」




･･･駅に公衆電話あったっけ？




Aの番号なら多分覚えてる。




そこからAにかければ･････




･･･うん、我ながらいい考えだ。

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