Chocolate Sling -2-

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「……ん、」




なんか、眩しい･･･




カーテンの隙間から 日差しが入り込んできてるのだと気付くまで、少し時間がかかった。




「ん…あぁ、寝ちゃってたのか俺…」




さっき昼過ぎだったから、今は夕方？




夕方･････




･･････えっ、今何時？！




ガバッと起き上がり時計を見ると、もう数分で待ち合わせ時間になるところだった。




慌てて服を着替え、スマホと財布と鍵をポケットに突っ込んで自宅を出る。




タクシーで行こうかと考えたけど、それこそお金が勿体ない。




「……走るか、」




その前にせめて連絡だけでも、とポケットからスマホを取り出す。




そして、思わず項垂れそうになった。




嘘だろ･･･27%って！！




ゲーム中に充電繋いどけばよかった･･･




《遅れる》




とりあえずそれだけ打って、画面を1番暗くしてから低電力モードに切り替えた。




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Aが見当たらない。




入り口で待ち合わせって言ったのに。




キョロキョロと周りを見渡すと、俺を見て手を振ってる浴衣姿の･･･




･･･A？




「は？浴衣で来たの？」




浴衣着てるとこ、初めて見た。




予想外すぎて固まる俺に、Aが少し照れくさそうに微笑んだ。




「うん、せっかくだから着ようかなって。」




可愛い･･･けど･････




「…もしかしてその為に一旦帰った？」




「え？」




「そのまま俺んちから来れば良かったじゃん。俺だったら絶対そうするわ、いちいち面倒いし…」




そしたら、俺も寝なかったのに。




走ってきたせいで脇腹が超痛いし･･･




なんか、ものすごくイライラする。




･････あ、そっか。




「てか腹減ったんだけど。」




俺、朝からなんも食べてないんだ。




明け方近くまで起きてたから、今日目が覚めたのは昼前だった。




空腹で機嫌悪くなるとか、マジで俺ってどんだけガキなんだか･･･




「あのさ、花火ももう中盤だよ？先によく見える場所探さない？」




「え〜…最後の5分くらいで良くない？」




よく見える場所じゃなくても、先に腹ごしらえしてからでも間に合うでしょ。




Aは不満そうだけど、今なら屋台も空いてそうだし すぐに買えると思う。




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人混み地獄からようやく抜け出し、ふと周りを見ると Aが見当たらなかった。




どうやら はぐれてしまったらしい。




･･･まぁ、電話して合流すればいっか。

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