Chocolate Sling -2-

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「だっ、だって！……えっ、今の幻聴？裕太が花火大会に行きたいって！！」




「…いや、行きたいとは言ってないからね？」




なんて、素直じゃないな俺･･･




Aの反応が可愛すぎて、もう俺行く気満々になっちゃってるからね？




･････なんだよ幻聴って。




マジで可愛い、好き。




「っ、でも！一緒に……行ってくれるの？」




目を輝かせて喜んでたかと思えば、急に不安げな表情になる。




もー･･･やめてよ そうゆうの。




何しても可愛いの、ズルすぎ･･･




そんなことは口に出来ず、




「だってAうるさいもん (笑)」




Aがうるさいから仕方なく行く、みたいな捻くれた言い方をしてしまった。




「ふふ、嬉しい。」




「…嬉しいの？」




「うん。」




嬉しそうに微笑むAを、後ろからギューッと抱き締める。




「……A、」




「ん…？」




「…ゲームの続きしていい？(笑)」




さっき、めっちゃいいとこでセーブしちゃったから 続きやりたくて仕方ないんだよね。




「……どうぞ？(笑)」




顔を見合わせて、ふふ、って笑い合う。




「あ、一旦家に帰ってもいい？」




「…なんで？」




「えっと…ほら、色々用意したいし、洗濯物とか昨日の分出来てないから……」




「…ふーん、」




「お昼、何か作る？」




「んー…いや、いらない。」




「…じゃあ、また後で。」




「は？もう行くの？」




時計を見て、思わず眉を顰めてしまう。




･･･まだ15時じゃん。




花火大会って夜からじゃないの？




「ここにいれば良くない？夕方くらいに出て一緒に行けばいいじゃん。」




「だって…裕太、ゲームしてるじゃん。私がいてもいなくても変わんないでしょ？」




「…何、拗ねてんの？」




「え？違うよ、ただ…その方がいいなって思っただけ。そしたら夜、そのままここに帰って来れるかなぁって…」




「……分かった、」




「どこで待ち合わせる？」




「あー…任せるわ。」




「……じゃあ、現地集合で。」




「…ん、」




.




Aがいなくなった部屋で、スマホをベッドに投げ置いた。




あー･･･何してんだよ俺。




ゲームなんてやめて引き留めろよ。




A、帰っちゃったし･･･




"拗ねてんの？"




･････拗ねてんのは俺じゃん。




「…はぁ、」




やるせない溜息が、静かな部屋に響いた。

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