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『A……さん?』
「…さん付けはやだ。」
『だって、いきなり呼び捨てってダメでしょ?』
いや、そもそもタメで話してるじゃん・・・
「…呼び捨てでもいいよ。」
『マジ?』
「うん、マジ。」
『やった、超嬉しい!』
「っ、ちょ、苦し…」
力加減が分からないのか、全力で抱き締められて身を捩ることさえ出来ない。
『…A、』
何これ・・・?
名前で呼ばれただけなのに、ものすごく嬉しくてどうにかなっちゃいそうなんだけど。
『…うわ、顔真っ赤じゃん!』
「なっ…言わないでよ!!」
『熱あるんじゃない?!』
「……は?」
『ごめんね、送ってくから帰ろう?』
「……。」
・・・この流れでそう捉えるのはおかしくない?
「二階堂くんって、やっぱりバカだ。」
『は?』
「なんでだろう…」
今まで歳下なんて好きになったことなかったし、ましてや合コンでの出会いなんか絶対ない…って思ってたのに。
『ちょ…さっきからバカバカって、めちゃくちゃ失礼すぎない?』
「……。」
『…聞いてる?』
「……。」
『ねぇ、絶対熱あるでしょ。ちょっと動かないでよ?確認するから。』
俯く私を覗き込むように顔を近付けてくるから、私も同じようにする。
唇が微かに触れただけで、全身が心臓になったみたいに脈打つ感覚が襲ってくる。
たった数秒の出来事に、一瞬で心が満たされた。
そっと唇を離すと、放心状態になった二階堂くんの目が私を捉える。
「…生きてる?」
『無理、死にそう…』
その目にはじんわりと涙が浮かんでいて、片手で口元を抑え、私に背を向けた。
前はもっとすごいのしたのに、こんな子供みたいなキスで涙腺崩壊しちゃうんだ・・・?
『…こんなことされたら期待すんだけど。』
グズグズと鼻をすする姿が可愛くて、堪らずにその背中に抱き着いた。
「していいのに。」
『うぅ…もう、マジで無理ぃ……』
とうとう肩を震わせながら号泣しだした。
そんな姿に、とめどなく愛おしさが溢れ出す。
「目、赤いよ。」
『……Aが泣かせるからじゃ、』
いつかされたみたいに、言葉を遮るように二階堂くんにキスをした。
「…好き。」
『……ん、俺も好き。』
幸せそうに目を細める二階堂くんは、とても魅力的で愛らしかった。
-fin-
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nanaco(プロフ) - みちこさん» そう!ニカを元彼にするのはちょっと既に泣けてきます・・・なんだか婚約者=藤ヶ谷さんのイメージしません?笑 そうですよ、訳ありなんですよ〜。゚(゚^ω^゚)゚。 (2019年9月23日 20時) (レス) id: d77fcd2775 (このIDを非表示/違反報告)
nanaco(プロフ) - 恵美さん» が、頑張ります〜。゚(゚^ω^゚)゚。笑 (2019年9月23日 20時) (レス) id: d77fcd2775 (このIDを非表示/違反報告)
nanaco(プロフ) - りっちゃんさん» やっぱり何を書いてもニカちゃんになりそうで抜け出せなーい!です(//∇//)w いきなりキャラ変はアレなんで、徐々にぶっ飛んだニカちゃんにしていこうかと(笑)また宜しくお願いします♪ (2019年9月23日 20時) (レス) id: d77fcd2775 (このIDを非表示/違反報告)
みちこ(プロフ) - nanacoさん» 今度は元カレ設定?太ちゃんが恋敵?だけど何だか訳ありな(^.^)続き楽しみにしています(^_^) (2019年9月23日 18時) (レス) id: 95022a0a60 (このIDを非表示/違反報告)
恵美(プロフ) - 早めに更新お願いします(笑) (2019年9月23日 18時) (レス) id: 9abe6fed7e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:nanacoy1139 | 作成日時:2019年8月31日 21時