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40 Tside ページ41

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季節は秋。




そろそろ肌寒い季節だけど、俺の服装はあの事故の時のまま。




中学の制服、もう飽きたんだけどな(笑)




てか、眠ったままの俺って 成長してんの?




止まってないよね?!









そんな事を考えていると、あっという間に夕方になり、病室に谷本がやってきた。




「谷本!」



「玉森くん。」




俺を見るなりニコッと笑うから、俺に会うのがそんなに嬉しいのかなって ちょっと自惚れたりする。







そんな時だった。






ピーッ ピーッ ピーッ






嫌な電子音が病室に鳴り響く。





「え…?」




「たっ、玉森くんっ!!どうしよう…」





慌てる谷本の視線の先には、心拍数の低下を表す警告画面が表示された機械。





程なくして、医者と看護師が病室にやってきた。




「玉森さんのご家族ですか?」




「い…いえ、あのっ、玉森くんは?!」




「ごめんなさいね、ちょっと外に出てくれる?」




病室の外に追いやられる谷本に、俺もついていく。




「玉森、くん……」




泣きそうな顔で俺を見る。




「大丈夫だよ…俺はここに、いる。」




大丈夫…大丈夫…




自分に言い聞かせる。




俺は、死なない。




谷本と、学校に行くんだ。




約束したんだ…。





「玉森くん…っ、身体が…!!」




「え?」




谷本に言われて気付いた。




…自分の身体が透け始めている事に。




「…谷本っ」




谷本に手を伸ばすけど、やっぱり触れられなくて。





「玉森くんっ、やだっ…やだよ…っ、消え、ないでぇ……っ」




泣きじゃくる谷本につられて、俺もいつのまにか涙が溢れていた。




……そっか、そうなんだ…。




俺にはもう…時間がない。




こうして、実体がなくても 君のそばに居られれば…君の笑顔を見ていられるのなら…




このままでもいいって、思ってたのにな…






「菜々子……」




「っ?!玉森く…」




谷本に精一杯の笑顔を向けた。




ねぇ、谷本……俺、上手く笑えてる?

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設定タグ:玉森裕太 , 千賀健永 , Kis-My-Ft2   
作品ジャンル:恋愛
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このみ - 大人になった裕太 (2020年10月3日 19時) (レス) id: 25b3f023e7 (このIDを非表示/違反報告)
nanacoy1139(プロフ) - 黄色好きさん» 黄色好きさん、素敵なコメントありがとうございます…(^ ^)続編も考えておりますので、また良ければ是非お越し下さいね。 (2019年1月24日 7時) (レス) id: da866a5801 (このIDを非表示/違反報告)
黄色好き - 伝えたい想いは、何時でも伝えられるわけじゃないって事。それなら、今こそだからすぐにでも伝えたいなって。想いはありますよ。またいい話しでした。青春に戻ってみたい。 (2019年1月24日 1時) (レス) id: f0b607ac31 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:nanaco | 作成日時:2019年1月22日 12時

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