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「ホントに…玉森くん…?」
「そうだよ、俺、玉森くん。」
「…なんでここに?」
「なんかね、幽体離脱しちゃってるみたい(笑)」
んははって笑う玉森くんは、私のよく知る玉森くんで。
「あ、ねぇ、俺の席座ってるとか酷くない?!新品の机と椅子楽しみにしてたのにさ〜。」
…玉森くんこそ、酷くない?
感動の再会なんだから、ちょっとくらい喜んでくれてもいいじゃん。
机と椅子なんて、どうでもいいじゃん…。
「…帰る。」
戸締りは先に済ませてたから、教室の鍵だけ閉めて カバンを持って、職員室へ行く。
「ねぇ。」
「ねぇってば。」
「谷本…怒っちゃった?」
黙っている私に、必死に話しかける玉森くん。
私が向かった先は、玉森くんが眠っている病室。
「谷本…ごめん、机と椅子は どうでもいいんだ。」
「…玉森くんのバカ。」
「…ごめん。」
…謝って欲しくなんかないし。
「ずっと…待ってたよ?」
宙にふわふわと浮いている玉森くんを見つめる。
「谷本、俺、ずっといたよ?」
「え?」
「毎日来てくれてたのも知ってる。」
「ここにいたの?」
「うん。誰も気付かなかったけどね(笑)」
…なんだ、じゃあ、感動の再会だなんて そんな事思ってるのは私だけ。
「あ、俺の手を握ってくれてるのも見ちゃった。」
?!!///
驚いて顔を上げると、口元を手で押さえてニヤニヤしている玉森くん。
「に、握ってないし// ちょっと手に触れただけだもん。」
「そうだっけ〜?(笑)寂しそうに俺の事見つめてたじゃーん。」
……ムカつく。
玉森くんってなんでこんなに意地悪なの?
私ばっかり 玉森くんの事を想ってて。
馬鹿みたい。
ホント、馬鹿みたいじゃん…。
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このみ - 大人になった裕太 (2020年10月3日 19時) (レス) id: 25b3f023e7 (このIDを非表示/違反報告)
nanacoy1139(プロフ) - 黄色好きさん» 黄色好きさん、素敵なコメントありがとうございます…(^ ^)続編も考えておりますので、また良ければ是非お越し下さいね。 (2019年1月24日 7時) (レス) id: da866a5801 (このIDを非表示/違反報告)
黄色好き - 伝えたい想いは、何時でも伝えられるわけじゃないって事。それなら、今こそだからすぐにでも伝えたいなって。想いはありますよ。またいい話しでした。青春に戻ってみたい。 (2019年1月24日 1時) (レス) id: f0b607ac31 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:nanaco | 作成日時:2019年1月22日 12時