検索窓
今日:4 hit、昨日:2 hit、合計:350,196 hit

16 ページ17

.


「谷本っ!!!」




後ろから追いかけてくる千賀くん。




「千賀くん…」



「これっ…荷物……!!」




ハァハァと肩で息をする千賀くんは、教室から校門まで走って追いかけてきてくれたのだろう。




「あ、ありがとう…。」




「俺も行く…って言いたいところだけど。」




「え?」




「谷本が行ってあげて。玉のそばにいてあげて。」




「…っ、ありがと…千賀くん!」




カバンを受け取り、病院に急いだ。




走って、走って、ひたすら走る。




玉森くん……っ




高校も一緒だって、言ったじゃない。




また一緒に過ごせるって、嬉しかったんだよ?




お願いだから…無事でいて?




お願いだから……









「…はぁっ…はぁっ…ここ…ここだよね?」




先生に貰ったメモに書いてある病院名を確かめて、中に入る。




玉森裕太という名前を告げると、案内されたのは、




…ICU集中治療室だった。




「あ、あの…」




その部屋の前のソファでグッタリとしているのは、多分…玉森くんのご両親。




「…裕太の、お友達かしら?」




「はい、あの、玉森くんと同じクラスの、谷本菜々子と申します。」




「君が谷本さんか。」




玉森くんのお父さんが私を見て微笑む。




「え、と…?」




「ああ、すまないね。裕太がよく君の話をするんだよ。」




家族と仲が良いと以前、玉森くんに聞いた事があった。




私の事、話してくれてたんだ。




「…っ…ぅ…」




ご家族の方がよっぽど辛いのに、私が泣いちゃダメなのに、涙は止まってくれない。




「菜々子さん、裕太と仲良くしてくれてありがとう。あの子ったら、まだ目を覚まさないのよ、困った子よねぇ…。」




哀しそうに玉森くんを見つめる、玉森くんのお母さん。




「私…玉森くんが目を覚ますの 一緒に待っててもいいですか…?」




「もちろんよ。…裕太にこんな素敵なお友達がいるなんて、私たちも嬉しいわ。」





友達…なんだろうか、私と玉森くんは。




私にとって玉森くんは大事な人。




玉森くんにとっての私は…?

17→←15



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (456 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
703人がお気に入り
設定タグ:玉森裕太 , 千賀健永 , Kis-My-Ft2   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

このみ - 大人になった裕太 (2020年10月3日 19時) (レス) id: 25b3f023e7 (このIDを非表示/違反報告)
nanacoy1139(プロフ) - 黄色好きさん» 黄色好きさん、素敵なコメントありがとうございます…(^ ^)続編も考えておりますので、また良ければ是非お越し下さいね。 (2019年1月24日 7時) (レス) id: da866a5801 (このIDを非表示/違反報告)
黄色好き - 伝えたい想いは、何時でも伝えられるわけじゃないって事。それなら、今こそだからすぐにでも伝えたいなって。想いはありますよ。またいい話しでした。青春に戻ってみたい。 (2019年1月24日 1時) (レス) id: f0b607ac31 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:nanaco | 作成日時:2019年1月22日 12時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。