狼少女の廻廻奇譚弐【呪術廻戦】 (ページ31)

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Aside

真希「……有り得るな」

『最初はそこまで敵意は感じなかったけど、あれは悠仁生存サプライズの前だ

楽巌寺学長の指示なら全然有り得る』

悠仁は術師には珍しい善人だ。

実際に悠仁と会った先輩達はそれに気づいてる。

が、悠仁を知らない奴らからすれば宿儺の器という恐怖の対象でしかない。

だから悠仁を殺すことも呪いを祓うのと感覚的には変わらないのだ。

術師はその辺の境界が曖昧になりやすからなぁ…

真希「戻るぞ、恵、A」

『……すみません』

真希「何謝ってんだ、バカ

仲間が死んだら交流会も勝ち負けもねーだろ」

真希先輩の言葉に胸が暖かくなった。

悠仁の事を宿儺の器ではなく仲間として認識されている事が嬉しかったのだ。

真希「私と恵は戻って悠仁の安否を確認する。Aはこのまま呪霊狩りを続けてくれ」

思わず「は？」と声を上げた。

『嫌です。僕も行きます』

悠仁が強いのはよく知ってる。

仮にも幼少の頃からの付き合いだからそれはよく分かっている。

が、相手は京都校全員で殺しに来ている。

術式を使い慣れたアイツらとじゃ流石に分が悪い。

伏黒「お前が悠仁が心配なのは分かる

でも私の予想が正しければ京都校がやろうとしてんのは団体戦のゴタゴタに乗じた悠仁暗殺だ

団体戦が終われば暗殺もしないだろ」

真希「真依のこともある。悠仁は殺させないし団体戦にも勝つぞ」

『…当然！』

呪霊を探して走り回る。

『お、みっけた』

すぐに変身させた腕で祓う。

人狼な分、僕は鼻が利く。

呪霊はゲロ処理した腐った雑巾みないな臭いがする。

慣れたけど割とキツい……

その時、「ツナ！」と聞き慣れた声が聞こえた。

『！狗巻先輩。先輩も呪霊狩りですな？』

狗巻「しゃけしゃけ」

『パンダ先輩と野薔薇は？』

狗巻「すじこ、ツナツナ」

『なるほど』

パンダ先輩と野薔薇は悠仁救出へと向かい、メカ丸、真依先輩、三輪先輩の3人がリタイアしたらしい。

その時＿

「『！！』」

突然、ゾッとするような今まで感じたことの無いほど禍々しい気配。

明らかに2級呪霊の気配じゃない…！

狗巻「こんぶ……」

現れたのは落ち武者のような頭の呪霊＿

ﾄﾞｯｺﾞﾛﾝ

呪霊の白目を向いた頭だけがゴロンと転がった。

「НФдХЭШдёр」

『先輩……』

狗巻「しゃけ、いくら、明太子」