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「仙蔵……。ここ2週間、ずっと女の人のこと見張ってたでしょ」
「………だから、何だ」
「………あの。えっと……、ずっと見張ってて、…どう思った?正直に言って良いから。僕は、仙蔵の意見を聞きたい」
まっすぐな目で、伊作は仙蔵を見つめた。仙蔵は本を閉じ、伊作を見る。伊作の顔をまともに見るのは久しぶりだ。仙蔵は、ゆっくりと自分の気持ちを話し出した。
「……私は、あの女の人は、信用しても良いと思う。留三郎が言っていたのだ。あの女の人からは変なニオイがしない、と……。留三郎の言うとおりだと思う。太陽みたいで、優しくて、とても美しい女性だと……私は、思った。私は心底、彼女に興味がある。彼女と話してみたい。今はまだ無理だ。だが、いつかは、2人きりで話がしたい。……伊作、…これが、私の意見だ」
「そうか。……良かったよ。仙蔵の意見が、悪い方じゃなくて」
「当たり前だ。私を誰だと思ってる。天下の立花仙蔵様だぞ」
「あははっ‼」
仙蔵と伊作は、久しぶりに笑い合った。今までぎこちなく、ずっと避けていた気がした。廊下ですれ違った、お互い気まずく、目が合わせられなかった。
「仙蔵。僕はね、また六年生のみんなで、仲良く過ごせたら良いなって思ってるんだ。みんなで協力し合って、前みたいに戻りたい……。もう、こんなのは、嫌なんだ。多分……いや、絶対、彼女なら……Aさんなら、学園を救ってくれるんじゃないかって……。そう思うんだ」
「そうだな。……私も、そう思うよ」
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れな(プロフ) - めちゃくちゃ面白いですし続きが気になります!またお時間がある時に更新してもらえると嬉しいです!楽しみにしています! (2022年3月31日 12時) (レス) id: 5c55cc0d78 (このIDを非表示/違反報告)
匿名 - 今晩は、初めて読みました!続きがすごく気になります! (2021年1月29日 17時) (レス) id: d1dc2ada9f (このIDを非表示/違反報告)
ななつのうみ(プロフ) - 美音さん» ご指摘ありがとうございます。なんとなく分かりました。これからもご指摘、よろしくお願いします。 (2018年2月5日 9時) (レス) id: 2454d6f77d (このIDを非表示/違反報告)
美音(プロフ) - 分かりずらかったらごめんなさい。後、応援してます! (2018年2月5日 1時) (レス) id: 7b5522f86f (このIDを非表示/違反報告)
美音(プロフ) - お気に入り登録させていただきました!作者さんって自分の名前を入れる時に(名前)にしてますか?してるんなら、変えた方がいいですよ。占ツクには元々自分の名前を書く欄があって、そこに名前を入れてると(名前)の中にその文字が自動的に入るので…。 (2018年2月5日 1時) (レス) id: 7b5522f86f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ななつのうみ | 作成日時:2018年1月19日 10時