第53話 ページ5
･
大丈夫、
安心していたのに今日は見事に全部
しまった。
貴｢はぁ…｣
ため息をつきながら、道場のモップがけをする。
会を保ち続ける身体的な苦痛と、離れることが
出来ない精神的な苦痛を今も感じる。
遼｢ため息ついたら幸せが逃げちゃうよ？｣
"大丈夫？ 変わろうか？"と心配してくれる。
貴｢ううん、大丈夫だよ。
ありがとう｣
遼｢無理しないでね？｣
今、自分は無理をしているような顔をして
しまっているのだろうか。
顔を叩いてそんな顔を元に戻そうとする
雅｢A今いいか？｣
貴｢はい…？｣
いきなり私の名前を呼んだマサさんの元に
すぐに駆け寄る。
雅｢ちょっと頼みたいことがあるんだ｣
貴｢頼み事…？ なんのです？｣
あのマサさんが私に頼み事なんて珍しい。
雅｢今さっき前祭りの話をしていただろう？｣
貴｢あー…｣
正直、マサさんが来るのが少なくなってしまう
ということしか聞いてなかった。
雅｢その前祭りが来週の週末にあるんだが、その時
の巫女の仕事をAに頼みたくてな｣
貴｢それってもしかしてバイトってやつですか？｣
そう聞くと"いやお手伝いってやつだな"と
悪いことを企むような笑顔を向けられる。
貴｢いいですけど、私今まで神社のお手伝い
なんてやったことないですよ？｣
雅｢一日だけだし、覚えることも少ないから
大丈夫だ｣
バイトとお手伝いは紙一重みたい。
貴｢そういうもんです？｣
雅｢そういうものだ。
詳しくは…｣
ちゃんと聞こうとしていたのにそのまま言葉を
濁らせて、困った顔をしたマサさん。
雅｢…そう言えば、連絡先知らないんだったな｣
貴｢あらま｣
マサさんと常に連絡を取り合う必要なんて
今までなかったから、気にしてなかった。
貴｢交換しましょ｣
雅｢いや…、それは…｣
相手がJKだから躊躇っているようです。
みんなも着々と片付けを済ませている中、
私も早く帰りたくて近くにあったペンを持つ
貴｢手出してください｣
雅｢ん？｣
出された左手の手首に、ペン先をつける。
静｢A、最終下校時刻過ぎるから早く｣
貴｢急ぐ｣
素早く電話番号とSNSのIDを書いて、更衣室
まで駆け足で行く。
静｢滝川さんと何話してたの？｣
貴｢お手伝いのお話｣
静｢お手伝い…？｣
"バイト"って言葉が身近になるだけで、
少し大人になった気がした。
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あわ(プロフ) - 大好きすぎる…… (6月9日 22時) (
レス) id: a26e70e8e6 (このIDを非表示/違反報告)
紫飛(プロフ) - とても面白いです！いつでもいつでも最新待ってます！これからもがんばってくださいい！ (2023年3月22日 20時) (レス) @page29 id: 69eb7321a2 (このIDを非表示/違反報告)
ポンズ - めちゃくちゃ面白いです！更新再開いつでも待ってますので、ごゆっくり〜 (2023年3月6日 1時) (レス) @page29 id: ce08b4ce76 (このIDを非表示/違反報告)
美姫(プロフ) - とても面白いです！続きがとても気になります！！更新楽しみにまってますね！ (2021年9月18日 20時) (レス) id: ac5aee6225 (このIDを非表示/違反報告)
たばね(プロフ) - 面白いです！！更新再開されるのを待ってます^ ^ (2019年12月17日 21時) (レス) id: fdca24c34d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：月花 | 作成日時：2018年12月24日 10時
