30 孤爪side ページ33
「大体、Aから話は聞いたけど…」
「はい…」
「別に、怒ってるとかそういうわけじゃないから…ただ……」
「ただ?」
「Aは絶対、譲るつもりないから」
俺がそう言うと、笠井くんの顔つきが変わった。
そのまま笠井くんは黙って頷いた。
「ごめん、それだけ」
「え!?それだけですか!?」
「うん」
「なんだ…てっきり、Aさんと一緒にいるのをやめろとか言われるのかと…」
笠井くんは安心したようにため息をついた。
別にそこまで言うつもりは無い。
正直、Aはずっと俺のことを好きな自信があったから。
「…でも、俺もずっと甘えるわけにはいかないですよね…」
「え?」
「俺、Aさんに振られても…この人ならなんだかんだで許してくれるからって、色々わがまま言ってたんです。でも……それももう、やめます」
笠井くんはそう言いながら悲しそうな顔をする。
なんだかんだでいいやつなのは、Aが一緒にいる時点で何となくわかってた。
「…そう」
「Aさんに、後で謝っておきます。えっと…研磨さん、すみませんでした」
「……別にいいよ」
教室に戻るため、笠井くんと別れようとすると、「ちょ、ちょっと待ってください!」と呼び止められた。
「何?」
「連絡先交換しましょ!」
「え?」
「友達になりましょって言ってるんです!ね?」
強引に俺を引っ張るところを見ると、なんだかリエーフに見えてきた。
「…こういう後輩はもう間に合ってて…」
「えー!なんでですか!俺もっと研磨さんと話したいのにー」
なんか、ちょっとだけ。
Aの気持ちがわかったような気がした。
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チョコ - とっても面白かったです! (2020年12月7日 23時) (レス) id: b3f09b082b (このIDを非表示/違反報告)
Namo◎(プロフ) - りんごあめさん» こちらこそ最後まで本当にありがとうございました!りんごあめさんのようなコメントのおかげで頑張れました!これからもよろしくお願いいたします(^_^) (2020年4月5日 17時) (レス) id: ecfedaf1f0 (このIDを非表示/違反報告)
りんごあめ - お疲れさまでした!素敵な作品をありがとうございました。ゆっくりと休んでください! (2020年4月2日 22時) (レス) id: e7faacb67c (このIDを非表示/違反報告)
Namo◎(プロフ) - りんごあめさん» りんごあめさんありがとうございます!めちゃくちゃ嬉しいです!ネタが思い浮かんだらたくさん更新していきますね!そう言っていただけて助かります! (2020年3月16日 21時) (レス) id: ecfedaf1f0 (このIDを非表示/違反報告)
りんごあめ - 研磨の作品で一番好きです!毎回ドキドキして、心臓が持ちませんよー(笑)更新楽しみに待っています!崩壊してないの凄い!! (2020年3月14日 21時) (レス) id: e7faacb67c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Namo◎ | 作成日時:2019年11月4日 22時