episode : 1 ページ2
体育館裏 , あまり人が立ち寄らない場所 .
そんな場所に私は呼び出されていた .
目の前には違うクラスの男子生徒 ,
顔を少し火照らせて私の顔を見ていた .
男子生徒が口を開く .
「 入学当初からずっと好きでした 」
「 僕と付き合ってください 」
どこに隠れていたのだろうか ,
後ろから多数の男子生徒が野次を飛ばして来た .
風に靡く髪を右耳に掛け ,
私は男子生徒に近付いた .
「 ごめんなさい 」
頭を軽く下げて ,
男子生徒の横を通って私は下駄箱に向かう .
後ろからは泣き声とそれを励ます声が聞こえる .
何か私が悪いみたいな事言ってるけど ,
関わり一切無かったし .
スリッパからローファーに履き替える .
「 今日も居るかな 〜 」
いつもより少し遅れて下校したから不安 .
いつも同じ場所にこの時間必ずいるあの人 .
目的地に近付くに連れて ,
早足になって行く .
「 お 」
今日も , 居た .
私の家のお向さんのあの人 .
いつもこの時間は決まって庭に出ているあの人 .
「 今日も水やりですか ? 」
「 勿論 , 花が俺を呼んどるんよ 」
「 なんですかそれ ! 」
遠くから私に手を振ってくれるあの人 .
私も駆け足で近付く .
決まってこの時間お花に水をやっている .
「 Aちゃんスカート短過ぎへん ? 」
「 可愛いですか ? 」
くるり ,
とその場で一回転する私 .
見えるから止めて ,
と目を手で覆うあの人 .
そして私はいつもと同じことをするんだ .
「 ジェルさん , 好きです !
付き合ってください ! 」
「 今日で185回目やな 」
「 返事は ! 」
「 ごめんなさい 」
「 いつになったらOKくれるんですか ! 」
先程の男子生徒を真似るように ,
私はジェルさんに告白をする .
ジェルさんは ,
" いつも通り " 私を振った .
「 まだ好みの女になれてないですか ? 」
「 いや 、
Aちゃんは十分好みやし可愛いで ? 」
「 なら何でですか ? 」
いつもと同じやり取り .
そして , この答えも
「 Aちゃん , 高校生やから 」
いつもと同じなんだ .
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namo(プロフ) - 魔月@月華さん» ありがとうございます;;今回もということは他の作品も読んでくださったということでしょうか…?!嬉しすぎます;; (2021年7月4日 23時) (レス) id: eec0e0c5bb (このIDを非表示/違反報告)
魔月@月華 - 完結おめです!まじで、今回もめっちゃ感動させられました…!(語彙力)次作楽しみに待ってます! (2021年7月4日 0時) (レス) id: a6b26cb2cd (このIDを非表示/違反報告)
namo(プロフ) - 夢の中にいる羊さん» ありがとうございます;;これからもお付き合い頂ければ幸いです!! (2021年7月1日 4時) (レス) id: eec0e0c5bb (このIDを非表示/違反報告)
namo(プロフ) - しらたま色のねおん。さん» ありがとう!!なんて嬉しすぎる言葉…!!;;私もねおんちゃんの作品大好きです(^_^)/ (2021年7月1日 4時) (レス) id: eec0e0c5bb (このIDを非表示/違反報告)
夢の中にいる羊(プロフ) - 完結おめでとうございます (2021年6月30日 20時) (レス) id: c132fce295 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:namo | 作成日時:2021年1月14日 0時