episode : 8 ページ10
次に時間を見た時には既に朝の6時 .
特に何かをする訳もなく , 俺はぬるくなった缶ビールをちまちまと呑み続けていた .
気付けばAと過ごす時間の終わりまで , 後6時間 .
若干の後悔はあるが , 特に思い残したことも無かった為
後はA好きに過ごさせてやろう
そう決めた .
バスローブの袖を捲り , 冷蔵庫から卵と牛乳を取り出して , あまり物音が立たないように砂糖と共に掻き混ぜる .
丁度バターと甘い香りがリビングに充満してきた所に , 目を擦りながらAがやって来た .
鼻をスンスンと動かして , 俺に近付いてくれば余った液をペロリと指で掬い舐めた .
「 … 私の分もある ? 」
「 勿論 , 座って待ってな 」
「 やった ! 」
やはり嬉しい時に感情をさらけ出してしまう癖はいつまで経っても抜けないんだな .
数時間前まであんなに険悪な雰囲気だったのに , Aは嬉しそうに口角を上げて椅子に座って大人しく待っていた .
盛り付けたフレンチトーストとココアをAの前に置いてあげれば , すぐさまフォークで口いっぱいにフレンチトーストを頬張った .
「 うぅ , 久しぶりに美味しいフレンチトースト食べた … 」
「 あれから作らなかったの ? 」
「 何度も作ったし , お店まで行ったんだけど
さとみのフレンチトーストには敵わなかったんだよね 」
もう二度と食べれないと思ってたから嬉しい , だなんて俺の分まで横取りして食べてくるA .
こんな可愛い女を目の前にして行動に移せない男なんて居ないだろう .
俺だって , 抱き締めたかった .
けど , 昨晩のような勇気もなく , ただ拳机の下で握り締めてニコニコとAの様子を見つめるしか出来なかった .
満足するまで食べれたのか , Aはココアで喉を潤し手を合わせて「ごちそうさま!」そう元気に俺に伝えた .
そしてチラッと時計を見たと思えば ,
「後5時間くらいしか無いんだね」
そう呟いた .
「 … 別に俺はもう望むことは何も無いよ 」
「 何も ? 」
「 うん 」
「 そっか … , なら残りも家でお喋りでもいい ? 」
「 勿論 , って言っても特に話す事無くないか ? 」
「 … 私は , いっぱいあるよ 」
そう言ったAの顔は , 今にも泣き出しそうだった .
なんで , そんな表情を浮かべるんだ … ?
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未琴 - 初めまして。みさせていただきました…。 すごくいい話…。まさかの急展開でびっくりしました！ めっちゃ心がいたくなったし、感動もしました…。またこういうの作ってほしいです！完結おめでとうございます！ (2022年2月11日 20時) (
レス) @page35 id: 10f2fa9012 (このIDを非表示/違反報告)
ふまおな - 完結おめでとうございます！最後の最後まで先が読めなくてハラハラしてました……。namoさんの書く文章が大好きなんだなと改めて思いましたm(_ _)m (2022年1月31日 21時) (レス) id: e9437d9508 (このIDを非表示/違反報告)
しらたま色のねおん。(プロフ) - 完結おめでとう！こっちでは久しぶり！今回もさすがなもちゃんって感じの大どんでん返しで驚いたよw (2022年1月31日 19時) (レス) id: 397afb6c54 (このIDを非表示/違反報告)
namo(プロフ) - あるるさん» あるる様 , 何度もコメント有難う御座いました!!またどこか別の作品でお会い出来る事を楽しみに願っております！ (2022年1月31日 18時) (レス) id: eec0e0c5bb (このIDを非表示/違反報告)
namo(プロフ) - ゆきんこさん» どんでん返し過ぎて申し訳ないです(；；)最後までお付き合い頂き有難う御座いました,また何処か別の作品でお会い出来る事を楽しみに願っております! (2022年1月31日 18時) (レス) id: eec0e0c5bb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：namo | 作成日時：2021年10月16日 3時
