第六十三話【黒姫】 ページ14
とにもかくにも、壁の修復は魔法を使ったこともあり、もう大詰め段階です。あっ、あとは先生方で行うということで、生徒会役員は解散されましたね。急ぎましょう。
途端に環は出入り口へ駆け出す。そして案の定、扉の前で鮮に遭遇。
「…おっと、環じゃないか。久しぶりだね。それから入学おめでとう。」
久方ぶりに聞く憧れの人の声。先程まで愉衣に向けられたどこか煽るようなものではなく、とても優しい声色だった。それが他でもない自分に向けられているのだと、環は舞い上がる。そして、一気に捲し立てた。
「ええ、ありがとうございます!鮮兄様。
それに、先程の兄様の試合も素晴らしかったですわ。鷹藤と煙幕を使っての目眩まし、その後はよく見えなかったのですが、動物を使っての攻撃のようでしたわね。相手の性格も考慮した戦いかた、流石ですわ!観覧者への配慮も細やかでしたし、壊れた壁の修復作業まで!」
鮮が止めなければあと10分程話し続けただろう。それくらいの勢いだった。
「ありがとう、環。だけど僕は今から用事があって、行かなきゃけならないんだよ。だから話はまた今度。ごめんね」
瞬間、環は肩を落とし、小さくなる。しかしそれもつかの間、パッと表情が明るくなった。今更ながら、本当に情緒の変化が激しい子だ。
「ではでは、また今度お茶会をいたしましょう!日時は追って連絡致しますので!」
少々強引な環の約束は、寛容な鮮によって承諾された。そして、上機嫌にスキップなんかしながらその場をあとにするのだった。
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雪白(プロフ) - ブラックアイさん» ダメな場合は日時を決めましょう (2019年1月19日 18時) (レス) id: acba558d74 (このIDを非表示/違反報告)
雪白(プロフ) - ブラックアイさん» 今なら大丈夫です! (2019年1月19日 17時) (レス) id: acba558d74 (このIDを非表示/違反報告)
ブラックアイ - 日と時間決めますか? (2019年1月19日 17時) (レス) id: b64c02d5d7 (このIDを非表示/違反報告)
雪白(プロフ) - ブラックアイさん» ごめんなさい見てませんでした!次はしっかり見ておきます!! (2019年1月16日 20時) (レス) id: acba558d74 (このIDを非表示/違反報告)
ブラックアイ - 雪白さん» パスワードお願いします! (2019年1月16日 17時) (レス) id: b64c02d5d7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雪白 x他5人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/
作成日時:2018年10月23日 19時