検索窓
今日:2 hit、昨日:7 hit、合計:12,905 hit

第四十二話【かいs】 ページ39

あらあら、不戦勝ですか。

と、内心苦笑しつつも観客の皆様に目を向ける。

折角私達の対戦を見にいらしてくださったのに、一つの魔法も見せずに終わりだなんて、申し訳もありません。

…では、折角ですから。仕方がありません。

腰元に着けていた箱に手を掛けて、中からティアラを取り出す。

そう、私が最も大切にする装飾品。

氷魔法発動に必須であり、王族であることを示す為に何よりも相応しいティアラ。

頭に着けて、指のパールの指輪に息を吹きかけて手を掲げる。

それと同時に、部屋の中は一面の雪景色。

この景色はいずれ戻る。

観客の皆様の手には、氷でできた花が一輪ずつ届いている。

驚いている人々が多い中で、ゆっくりと静かに部屋を出る。

視線が集まり出したところで、ドレスを軽く持ち上げてお辞儀をする。


「皆様、本日は私どもの対戦をご観覧なさるため、この部屋にお越しくださり、ありがとうございます。」

「対戦をご覧にいれることができなかったこと、まことに申し訳ございません。」

「代わり、と申し上げるには程遠いものではありますが、水系統の魔法を至高とする、我がアキュレトール皇国の氷魔法、特とご堪能くださいませ。」

まだざわめきの残る部屋を少し離れてふと思った。

煙さんに、花籠の差し入れでもしましょうか……と。

第四十三話【地獄狼】→←第四十一話【閑】



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (14 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
8人がお気に入り
設定タグ:募集企画 , 天空魔法学院 , オリジナル作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ブラックアイ - 更新しました (2018年10月23日 18時) (レス) id: b64c02d5d7 (このIDを非表示/違反報告)
ブラックアイ - 更新します (2018年10月23日 17時) (レス) id: b64c02d5d7 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 更新します!! (2018年10月23日 16時) (レス) id: 2baf58587d (このIDを非表示/違反報告)
よもぎまんじゅう(プロフ) - 更新しました (2018年10月22日 20時) (レス) id: 1b69b5d6d8 (このIDを非表示/違反報告)
よもぎまんじゅう(プロフ) - 更新します (2018年10月22日 19時) (レス) id: 1b69b5d6d8 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:雪白 x他1人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/my.php  
作成日時:2018年10月14日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。