第三十四話【foglia】 ページ31
「あーれー?びいどこー」
煙ちゃんはまた迷子。
美愛にばいばいをしたら、知らない人がいっぱい。
ざわざわと人が行き交い、木目が軋みます。窓の風は暖かに軽く響き、ぶかぶかシャツの裾を揺らします。廊下の奥から綺麗なハイヒールが見えて、レースが振れました。
「こちらですよ。お手を出してください。」
「ロゼちゃ、わかったー!!」
ながい回廊を手を繋いで歩いていきます。色んな帽子や杖が見えて、賑やかなかんじ。
ロゼちゃ…ロゼ様はアキュレトール皇国の第一皇女。煙ちゃんは何にも気にしていませんでした。
これから戦うのにね。
煙ちゃんは、ポケットからたんぽぽを取り出そうとしました。黄色い太陽の匂いがするお花。
だけど、ポケットには何も入ってません。
でも煙ちゃんは、強い子だから泣きません。繋ぐ手の力を強めて、涙目になりながら步を進めました。
「この部屋ですよ。」
「あーい!!」
茶色くて大きい重合な扉が、音を立てて開きました。二人とも、ゆっくり位置につきます。
煙ちゃんはやっぱり緊張。なんだか落ち着かないみたい。すると、煙ちゃんの目から涙が出てきました。たんぽぽがないのを我慢したからでしょうか。
「うう…うわー!!!」
煙ちゃんは結局大泣き。
一年生もびっくりですね。
ロゼ様、普通に困ってます。おどおどしてます。
大きなローブを引きずる、審判の魔法使いがやってきました。煙ちゃんを抱っこします。
クリスタルを割る所でもなく、この勝負は公正な判断によってロゼ様の勝利。
煙ちゃんは涙をぽろぽろこぼして、ぐずぐず。
煙ちゃんは今日も問題児。
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ブラックアイ - 更新しました (2018年10月23日 18時) (レス) id: b64c02d5d7 (このIDを非表示/違反報告)
ブラックアイ - 更新します (2018年10月23日 17時) (レス) id: b64c02d5d7 (このIDを非表示/違反報告)
閑(プロフ) - 更新します!! (2018年10月23日 16時) (レス) id: 2baf58587d (このIDを非表示/違反報告)
よもぎまんじゅう(プロフ) - 更新しました (2018年10月22日 20時) (レス) id: 1b69b5d6d8 (このIDを非表示/違反報告)
よもぎまんじゅう(プロフ) - 更新します (2018年10月22日 19時) (レス) id: 1b69b5d6d8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雪白 x他1人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/my.php
作成日時:2018年10月14日 21時