【wrwrd】寝てません。【gr】

▽渇望４ ページ5

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時間的にも色々と間に合わなかったから、グルッペンさんにもばーっとお礼をして慌てて車を飛び出した。

後ろから「転ぶなよ」と聞こえたがそんなものは無視だ。大体、誰のせいでこんな事に…。日曜だって、そもそも翌日が月曜なのに合コンとか信じられない。
しかも事あってから名前を知る、とは？？？？？



5分程度出社時間は過ぎていた。
勢い良くオフィスのガラス張りの扉を開けて挨拶をすれば「おはよ〜」なんて緩い声が返ってくる。此奴等全員今朝の思いをすればいいのに、と毒を吐きつつ席へと直行した。



『はぁ…』
rd「朝から溜息とか幸せ逃げるよ？」
『らだに何が分かるってんだ』
rd「高校からの仲じゃん？」
『陰ｷｬだったし…覚えてない』
rd「うそつけ」



隣の席に座るのは、同期であり、高校からの仲である楽山。愛称は"らっだぁ"。仲良くなるうちに私は"らだ"と呼ばせて貰っているけれど。
デスクに数束の書類を投げ渡しながらそう言ったらだを軽く睨めば「お詫び」と缶珈琲もくれた。



『どうも。妙に気が利く…ところで今日は外回り行かないの？a社に納品行くとか行ってなかった？らだ』

rd「何言ってんの。今日Aが企業と会議あるっていうから、Aの仕事代わりにやるんだよ俺」

『…え？』

rd「え？」




企業と会議…。

それ、と投げ渡された書類を指さすらだ。ふと視線を向ければそこにあったのは"大手ゲーム企業との会議"と付箋が貼ってあった。ぐるぐると思考を回して、そういえば、と思い出す。
今日は10時から会議があった。私勤めるIT企業と大手ゲーム企業とのコラボ案件。SNS等でも配信が決まった超人気ゲームの新作をうちでもやる事になった。


そんな大事な会議を、日頃の成果も認めてもらえたらしく、私が担う事になった。



rd「忘れてたの？」
『すっかり…』
rd「どんまい」
『まぁ大丈夫。アドリブな訳でも無いし、内容は頭に入ってるんで。社長にも良い報告は出来るね！流石東雲よくやった！』
rd「さっすがA女王だぁ」



仕事に対しての絶対的自信と絶対成果を残し、そして規律に厳しいという面から女王なんて名前がついてしまったのは、一体いつのことだったか。

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