▽渇望２ ページ3
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夢であるなら早く醒めろと頬を抓ってみても、ただじんじんと痛みがやってくるだけだった。
gr「大丈夫か？？」
『……すみませんでした』
整ったこの金髪に夢なのではと淡い期待を掛けたが、若干痛む腰が全てを語っている様な気がして、全神経を急いで思考の方へと繋げさせた。
「何も敬語じゃなくたって」と膨れっ面をするグルッペンさんは温かいココア片手にやってきた。時刻はまだ6時で、家は7時に出れば間に合う。服を着た後、お礼を言ってココアを飲めば死ぬ程身に染みる。
そういえば、とふと周りの景色に目を向ける。
完全に、私の知る部屋じゃ無い。
私の家じゃ無い。
私の年収でこんな良い部屋に住めるわけが無いと、少しの嫉妬と再びの嫌悪をからに向けた。
gr「…それで。どこまで覚えてる?」
『それがまったく…言われて、合コンの事は何となく思い出したんですけど』
gr「成る程な…」
珈琲に片付けては怪訝そうな顔をする彼に、『グルッペンさん？』と声をかける。すると今度はため息をつかれて、近くにあったテーブルに珈琲カップを置くなり、眉間に手をやった。
「全部ぱぁか」と一言口にした彼は、私の姿を目に入れるなりきゅっと口を結んだ。
gr「グルッペンさん、か…」
『…も、もしかしてですけど…私、なんて、？』
gr「ん？あー、"グルッペン"とか"グルちゃん"とか」
『え"っ…』
体温が数度下がった気がする。背筋がすっと冷えていき、嫌な汗が頬を伝った。終始表情を変えずに語るグルッペンさんにはどんな顔を向ければいいのか、とっくに分からなくなっていた。
『ごめんなさい』と苦し紛れに出た言葉は虚しく空に消えると思ったが、彼の方がそれを捕まえた。
gr「いや？可愛かったから別に構わん」
またそう平然と答え、今度は珈琲に片付けた。
その姿は中々様になっている。世間一般、世の女共はこんな男と一緒にいれたらさぞ嬉しいのだろうなと頭の片隅では呑気な事を考えた。
しかし現実、私は全然そんな楽しい脳は持ち合わせてはいなかった。徐々に顔に熱が集まっていくのがわかって、それを隠す様にして彼から目を逸らす。
gr「はは、良い反応をしてくれる」
『勘弁してください』
あぁ最悪だ。
お願いだから、昨晩に戻せ神よ。
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ビジネス不仲? - 詐欺師の朝ごはんはやばい (2021年8月25日 14時) (
レス) id: 7e1bdb3c05 (このIDを非表示/違反報告)
有馬(プロフ) - 待っておりました。お忙しいと存じ上げておりますが、素敵な読み物の続きが出たのが嬉しく、また感想を送ってしまいました。お変わりなくご息災を願います (2021年5月4日 12時) (レス) id: 0957251bb6 (このIDを非表示/違反報告)
有馬(プロフ) - とても素敵な読み物をありがとうございます (2021年5月2日 21時) (レス) id: 0957251bb6 (このIDを非表示/違反報告)
つくもがみ(プロフ) - 好きです｡大好きです｡無理なさらず、更新頑張ってください｡ (2021年2月7日 15時) (レス) id: 5dd14ac0cc (このIDを非表示/違反報告)
雷斗 - すっき！！！！ (2021年1月31日 22時) (レス) id: ecb0b24c21 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：零
| 作成日時：2021年1月16日 16時
