脆い.34▽ ページ35
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『…よろしくお願いします』
早朝5時。
こんな早い時間に起きたのは、中学の部活の朝練以来無いんじゃないか。
今日の天気は良いらしく、太陽が眩しくて溶けそう。
しかもこの目の前にいる大将__皮肉にも赤色である。
なんでそんな眩しい色なのか。
落ち着いた色にしてよ。
「…早う寝ろと言うたじゃろ」
『寝ましたよ、21時にはぐっすり。』
「目ェ覚ませ」
軽く頭を後ろから叩かれる。
叩くな、馬鹿。痛い…と言おうと思ったんだが、
全然痛くない。
手加減どころか綿飴で殴られた感覚。
一応気に掛けてくれているのか、
その辺は知らないけど初期より丸くなってるのは確かだ。
.
服なんかはたしぎさんが用意してくれた。
上着はゆとりのある大きめのジャージだが、
ズボンが馬鹿みたいに大きい。
裾を何回か折っているのでダサい。
動きにくい。
『はぁ"…』
外周から始まって、
ウォーミングアップで殴られた。
勿論寸止めしてくれてるんですが。意外と優しい。
だが、問題はそこからだった。
腕の振り方がなってないと言われ、蹴り方が雑魚だと言われ、避け方で次の動きが読めると言われ__
そして今。
訓練開始から二時間弱で地面に突っ伏した。
「そがいなんで息切れしとったら、真っ先に死ぬぞ」
近くの木箱の上に足を組んで座った赤犬。
地面に体育座りして説教を受ける私。
朝早くから何やってんだって話だ。
『すみません…赤犬さん、』
不満げに此方を睨む赤犬。
最初なんて無駄だの何だの言っていたが、なんだかんだでやってくれているのだから、
悪い奴では無いというか…。
「そんなんで"理由"見つけるなんて、
無理な話じゃァ」
ふと顔を上げれば、
威圧とは別の…教師が生徒に向ける目線のそれがあった。目がばちっと合えば「睨む余裕があるなら早う立て」と一言。
睨む余裕、とか一言多いんだよ。
それでも、やりがいはあるし。
何よりその言葉に火が付くのは事実。
『言われなくとも立ちますよ。…地面に突っ伏したまんまなんて、嫌なんで』
そう言った時の赤犬が少しだけ口角を上げたのを、
私は見逃さなかった。
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ひかり(プロフ) - 続編楽しみです。 (2020年4月25日 13時) (
レス) id: 2b9098a683 (このIDを非表示/違反報告)
リーナ - コメント失礼します！めっちゃ面白いです！！これからも頑張って下さい！ (2020年4月23日 20時) (レス) id: 4ce14ca331 (このIDを非表示/違反報告)
ソル - 白ひげ海賊団とどんな繋がりがあるのか楽しみです！更新頑張ってください！ (2020年4月19日 21時) (レス) id: 7bc681eabc (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - 知ってるアニメは何ですか？ (2020年4月4日 11時) (レス) id: e8084d140d (このIDを非表示/違反報告)
ミラージュミラー - トリップって難しいと僕は思います。なのにとっても面白い！小説アドバイス頂きたい位です！これからも頑張って下さい！ (2020年4月2日 10時) (レス) id: 1bda2ccaaa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：零
| 作成日時：2020年3月10日 13時
