【ONE PIECE】脆くて弱くあれ。

脆い.26▽ ページ27

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医務室でガープ"さん"にお礼を言ってから出る。
今頃医務室で一人、包帯を片付けるガープさんを想像するとそれはそれで申し訳ないが
面白さが勝つのは何でだろう。


手当てして貰った場所、右頬の感覚を軽く手で確認すればちくっと痛みが走る。


『やっぱ、痛いか…』


この世界に来た時の特典とか割と欲しかったりするんだけどな。超再生とか、そういうの。
天罰じゃ無い限り、あるんじゃないのか。

解せぬ。




「なんだ、怪我したのかてめぇ」



不意に横から掛かる声。
全然気が付かなかった。
気配を消す訳でも無く、淡々と話すそのお相手はいつぞやのスモーカー。
今日も今日とて煙草を吸っては、灰色を吐いている。


『す、スモ…さん』
「馬鹿か、躊躇うくらいなら言うな」
『スモやん』
「…はぁ、」


やり辛そうな視線を向けられても…
話しかけてきたのはあんただろ。

疲れているのか、
分厚い資料を持って頭を掻いたスモーカーは「スモーカーでいい」と諦めた風に口にする。
スモーカーさん、長いな。
いつかみんなの愛称で呼べる様にしとこ。



『愛称あるの良いじゃないですかスモさん』

「舐めてんのかてめぇは。
呼び方浸透させてんじゃねぇよ、名前で良いっつったろ」


『あだ名、いいと思います』
「うるせーよ」



満更でも無さそうな顔のくせに。

医務室から海軍大将の部屋までは遠い。
因みに言うと私の部屋は、
海軍大将の部屋の一つ下の階。
ここまで着いて来ると言うことは…



『海軍大将に御用ですか』



特に興味も無いんだけど、何となく無言が辛かったから発した言葉だった。
怪訝そうな顔をしたスモーカーだったがすぐに前を向いて「あぁ」と短く返された。

もうちょっとコミュニケーションを発展させる努力をして欲しいな、



『あ、因みにクザンさんならお仕事中かと…書類に追われてるんだとか』

「…はぁ、あの人はまた。わかった」

『今日は慌ただしいっぽいし……海兵の怒声怖かったんですよ。部屋にいましたけど、
何かあったんですか？』

「…いや、」



聞くんじゃねぇ。

口には出してないけど目でそう言われた様な気がした。
これは確実に何かあったパターンだ。

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