脆い.10▽ ページ11
「そんじゃァ、まずは自己紹介がてら海軍の中案内でもしようか…あ。その前に服とか着替えたい？」
青雉に、縛られていたロープを丁寧に解いて貰って礼を言えば「こっちこそごめんね」と再度謝ってきた。
こんなにも優しい人間が、この人が掲げる正義が、数年後に崩れると思うと苦しくなって仕方ない。
大きく空気を吸って吐いて、解放された両手首の感覚を確かめる。
うん、感覚は大丈夫らしい。
『いや…、着替えとか大丈夫です。
それに、青雉さんも仕事あるなら…案内とか要らないですよ』
「ううん、案内は任せて。…あー、ほらアレよその。一人じゃ危ない…かも、だしね？？」
青 雉 は サ ボ る 気 だ っ た ！
まぁ、勿論それを知った上での提案だし。目の前で面白い程に嘘を吐いた青雉が見れたから良いか。
そんな事を私が考えているとも知らずに青雉は色々、言葉巧みに何か言っているが何も聞いちゃいない。
『それじゃ、お願いします。青雉さん』
「ぇ、あぁ…うん。それじゃ行こうか」
すっと立ち上がって青雉に着いて行こうと、足を一歩踏み出せばｽﾞｷｯ、と殴られている様な痛みが走る。
骨に直で釘打たれてる気分。
打たれた事ないですけどね、あはは
庇って歩けば大丈夫だろうと思っていたのだが中々上手くいかない。それどころか悪化している…気がする。
どうせトリップしたんなら、もっと丈夫にしてくれれば良かったのに…
『最初、どこ行くんですか…？』
流石に沈黙には耐えきれない。
そう聞けば青雉は前を向いて歩いたまま、
「医務室だけど」
当たり前だという風に答えては、「痛いでしょ、全身」そうぶっきら棒に口を開いた。
「俺だって、だてに海軍大将してる訳じゃないよ。
怪我くらい顔見りゃ分かる」
ちらと彼の顔を見れば先と一ミリも変わっていない表情。この人は素でそういう事を言えるらしい。
人を助けるのが当たり前に出来るのは格好いいと思うのは私だけだろうか。
それとも、この世界の人はそれが当たり前なのか。
それなら前の世界と大分違う。
少なくともこれを当たり前に出来る風潮は無かった気がするし…寧ろ恥ずかしい、とか。
『…そう、ですか』
だから、感謝の言葉一つにも躊躇いがあったり。
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ひかり(プロフ) - 続編楽しみです。 (2020年4月25日 13時) (
レス) id: 2b9098a683 (このIDを非表示/違反報告)
リーナ - コメント失礼します！めっちゃ面白いです！！これからも頑張って下さい！ (2020年4月23日 20時) (レス) id: 4ce14ca331 (このIDを非表示/違反報告)
ソル - 白ひげ海賊団とどんな繋がりがあるのか楽しみです！更新頑張ってください！ (2020年4月19日 21時) (レス) id: 7bc681eabc (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - 知ってるアニメは何ですか？ (2020年4月4日 11時) (レス) id: e8084d140d (このIDを非表示/違反報告)
ミラージュミラー - トリップって難しいと僕は思います。なのにとっても面白い！小説アドバイス頂きたい位です！これからも頑張って下さい！ (2020年4月2日 10時) (レス) id: 1bda2ccaaa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：零
| 作成日時：2020年3月10日 13時
