▽空色に笑顔 ページ42
.
⁇「此処でええか…、」
ぽつりと呟いた彼は人気の少ない外でそう呟いた。いきなりの事で会場内は少し荒れているらしい。
まぁそんな事、今の私には関係ない事でそれよりも目の前の彼が誰なのか気になって仕方なかった。そんな様子に気づいてか、彼は少し面白そうに私を見た後一歩距離を取って一礼した。
その流れる動作が見事であるのに、何故だか信用ならぬ雰囲気があった。
ci「はじめまして…やんな?チーノ、と申します。貴女と同じ"我々国の人間"ですよ」
例えるなら…そうだな、鬱先生とどことなく似た様な初対面の時の印象。そっくりそのままかと聞かれればまったく違うのだけれど、このチーノという男は今まで会った人間の中で総統の次あたりには謎かもしれない。
『は、え？我々…国』
ci「まぁずっと潜入捜査してたからなぁ…あ、貴女の事は聞いてるので何も言わなくて良いですよ」
『あの、チーノさん』
ci「なんや…？」
『敬語、気持ち悪い…といいますか、』
ci「…失礼すぎるやろ」
その謎の雰囲気があの総統と…重ねている訳では無いのだが、敬語は慣れない気がする。それにきっとその華やかな衣装も今限りのもので。
この夜会でその潜入捜査とやらが終わるんだろう。
ci「このまま此処を真っ直ぐ行けば多分ゾムさん辺りがいると思うから…、」
『成る程…チーノさんはどうするんですか』
ci「俺はまだあの人達の回収があんねん。すぐ合流出来るだろうから先行っとって」
『お気をつけて』
そう言えばまた少し薄く笑ったチーノさんは来た道を戻って会場へと入って行った。よくあんなことを巻き起こしておいてまた同じ場所に戻れるな、と思ったけれどあの人…総統を回収するなら仕方がないか。
私も彼に言われた通り、彼が指差した道を真っ直ぐに歩いて行く。
暫く歩いて行けば城の外へと繋がる抜け道が見えたが、門兵もいるし門は硬く閉ざされている。
バレては不味いと少し距離を置いた場所で脇道に逸れて茂みを分けて森の様になっている場所を抜けて行けばちょうど欠伸をして暇そうにしている緑と目があった。
zm「おっそ」
『予定外の事があって』
zm「チーノとは会ったん？」
『会いましたよ、ワインで服汚しましたけど』
zm「おもろ」
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1761人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
しおりん(プロフ) - ふ〜ん！3ｺﾒ！続編おめでとうございます(о´∀`о)更新大変だと思います､頑張ってくださいね(*´▽｀*) (2020年6月23日 23時) (
レス) id: 527cd6ca75 (このIDを非表示/違反報告)
さわー - ふーん、2ｺﾒ!続編おめでとーございますっ！更新楽しみにしてますっ！(ですが無理はせず！) (2020年5月26日 15時) (レス) id: 14d9286bf4 (このIDを非表示/違反報告)
ピーたー - ふーん、1ｺﾒ！続編おめでとーございます！更新待ってます！ (2020年5月26日 12時) (レス) id: a37e444ba1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：零
| 作成日時：2020年5月24日 14時
