▽金色 ページ39
『総統、そろそろ挨拶に行かれては？』
不意に発した言葉がそんなに嫌だったのか、隣で一口も口をつけていないワイングラス片手に立っている総統は不服そうにして「そうだな」と一言言った。先ほどから増え続ける人の多さに若干押されている自分もいるのだが、何故だか彼が隣にいる事によりまだ少しマシな気がする。
視界に映る範囲にはエミさんがいて、先程までいた鬱先生の姿はもう見えない。きっと彼の事だ、次の任務の目標でも定めたのだろう。
外にはショッピ君が待機しており、ゾムさんはこの国を偵察がてら散歩しているらしい。
gr「因みに言っておくが彼処にいるβ国の奴はほんまにゴミ屑やから関わらないでおけ」
『酷い言いようですね…、』
gr「まぁ、そうだな…うん、γ国ら辺なら補った知識でもいけるやろ。俺は少し此処を離れる」
『分かりました』
何かあったら外に出ろ、と付け足した総統は横から離れて他国の貴族やら軍人やらと挨拶を始めた。
その容姿端麗な姿からなのか、それとも彼の不思議な雰囲気に皆が惹かれているからなのか…そこはよくわからなかったが、彼が浮いている様に見えた。
他国と並んでしまっては、あれはもう人でない様にも感じる。恐るべし総統。
あの人が何故今まであれだけの支持率を守れてきたのか何となく分かった気がした。
本質こそ曖昧ではあったが、まず最初に入ってくる目での認識できっと何万人もの目を惹いている。そのくらい彼は美しいらしい。
その"美"という言葉ですら、彼を全て表せているかどうか怪しい。
『…はぁ』
一つため息を吐いて、総統に飲むなと言われたワイングラスを一度テーブルに置いた時だった。
α「おや…先程までここにいらした我々国総統閣下は今、いらっしゃらないのですか？」
横からかかったよく通る声。一度も聞いた事がないその声に反応をして其方を見れば、優しい笑顔を貼り付けたα国の王子がいた。
彼もまたグラスを持っていたが私のとは違い、少し量の減った赤紫の液体であった。
酒に詳しくない私はそれが何の酒なのか分からなかったが、知ったところで何がある訳でもない。
α「…良ければお隣失礼しても？」
私は静かに頷いた。
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しおりん(プロフ) - ふ〜ん！3ｺﾒ！続編おめでとうございます(о´∀`о)更新大変だと思います､頑張ってくださいね(*´▽｀*) (2020年6月23日 23時) (
レス) id: 527cd6ca75 (このIDを非表示/違反報告)
さわー - ふーん、2ｺﾒ!続編おめでとーございますっ！更新楽しみにしてますっ！(ですが無理はせず！) (2020年5月26日 15時) (レス) id: 14d9286bf4 (このIDを非表示/違反報告)
ピーたー - ふーん、1ｺﾒ！続編おめでとーございます！更新待ってます！ (2020年5月26日 12時) (レス) id: a37e444ba1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：零
| 作成日時：2020年5月24日 14時
