▼眺める二人__em side ページ24
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これは何の嫌がらせか、見せつけか。Aさんは完全に巻き込まれ型で悪くは無いんだろうが隣に座る金色の彼は確信犯と言っても過言では無いだろう。
この前資料を渡しに行った時に飾られていた髪飾りを付けているあたり、いよいよ冗談に出来なくなってきた様子。
ショッピ君は、「グルッペンさんが固執すんの珍しいですよね」と笑っていたが。
……笑い事ちゃうねん。一応総統という立場の彼は、見合い話が来ていない訳ではない。隣国との外交もある。
それなりに関係を結んでおいて損は無い国だって。
em「はー…」
けれど、我々の意見が全て彼に反映される訳なく。
それ以前に自分で彼を選んで着いていっているのだから、彼がする事に賛同するしか無いのである。
だんだんと本を捲る速さが早くなるのが自分でもわかる。先程彼も本を戻していたから、…というか、彼の場合インカムで聞こえた声で集中出来なくなったんだろうけれど。
zm「エーミールゥゥ…‼」
突如、音もなく後ろから聞こえた声。
悲しいことにその声に驚く事も無くなった。
変わらず本を読み続ける自分を見て面白くないと思ったのか口を尖らせたゾムさんは置いてあった椅子に座るなり文句を吐き出した。
ここからグルッペンさんとのころでは距離があるから普通に話すくらいなら向こうには聞こえない。
em「またダクトから来たんですか」
zm「いや、今は改装中やから使えんかった」
em「窓閉めましたけど…」
zm「どうやって入ったんやろなぁ」
ここまでくると神出鬼没の彼が少し怖くなってきた。
仲間で良かったと心底思うのはいつのもの事。
zm「あれ…グルッペンや」
em「話しかけるな、だそうです」
zm「言われたん?」
em「目が」
zm「…ふーん
グルッペンとこ行ってくるわ」
em「今の話聞いてたやろ絶対!!!」
聞こえへんかったー、なんて言って軽やかに机を飛び越えてグルッペンさんの方へ走るゾムさん。
彼の一歩分じゃあっという間に彼等の元へ着いてしまった。遠目で見る限り此方を若干睨んだグルッペンさんが見えたから、きっとあとで確実に怒られるんだろう。
(二人で話すなら総統室で話したらええじゃないですか)
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しおりん(プロフ) - ふ〜ん!3コメ!続編おめでとうございます(о´∀`о)更新大変だと思います、頑張ってくださいね(*´▽`*) (2020年6月23日 23時) (レス) id: 527cd6ca75 (このIDを非表示/違反報告)
さわー - ふーん、2コメ!続編おめでとーございますっ!更新楽しみにしてますっ!(ですが無理はせず!) (2020年5月26日 15時) (レス) id: 14d9286bf4 (このIDを非表示/違反報告)
ピーたー - ふーん、1コメ!続編おめでとーございます!更新待ってます! (2020年5月26日 12時) (レス) id: a37e444ba1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:零 | 作成日時:2020年5月24日 14時