▽澄んだ青色 ページ22
鬱、と名乗った男はこの国の幹部で射撃部隊らしい。時には情報収集もするらしく、先の女は情報を抜き取る為の方だとか何とか。目が泳いでいたので九割嘘だろうけれど。
ut「手綺麗やなぁ活殺屋さん」
『褒めても何も出ませんよ、女じゃありませんし』
ut「知ってんで。別にそういう趣味とちゃうけど、ずっと女の子やと思ってたから…残念」
『…噂頼った貴方が悪い』
僕は美少女説推してたんよ。とへらへら笑った彼は握った手を離してポケットに入れた。
トントンさんが少し不機嫌そうなのは何故だか知らないが、これじゃ息抜きの意味もなかっただろうか。
ため息を吐いた私の姿を見たからなのか鬱さんは、少し屈んで自分と目を合わせた。
善意でやるそれが身長の差を見せつけられてるみたいで腹が立ったのはここだけの話。
ut「推しである事には変わらんから、安心してな」
にこりと笑った彼はまだ若干美少女説を信じている様な気もしたが、ここはもう忘れておこう。
ut「…ほんまに男なん?」
『大浴場でも行きますか?』
ut「遠慮しとくわ…あ、推しと入れるんならええよ。ロボロにでも自慢しよ」
tn「多分却下されんで、グルさんに。勿論俺も」
ut「男に手出す趣味無いわ!!!!!」
盛大なツッコミが入ったところで漸く話に終わりが見えたのか、門を潜って城の中に入る事が出来た。耳に付けていたインカムを外したトントンさんは「今日はありがとうな」とふっと笑う。
女子なら惚れるそれも、自分は男なので紳士だなぁくらいにしか感じないけど。
トントンさんに部屋まで送ろうかと言われたが流石に場所は分かるので断っておいた。
それに、少しだけ寄りたいところあったし。
.
静かに目の前の扉をノックすれば扉の向こうから「はーい」という声が聞こえてきた。
何やら作業中で手が離せられないのか鍵は開いてるから入っていいよ、と。…ここ、結構警備厳重にしておかないとだめなんじゃ??
『失礼します…、』
ゆっくりと扉を開ければ思っていた以上に暗い室内。何個ものモニターに囲まれて機械を弄る彼は、朝見た姿とはまったく別の者の様に見えた。
声につられてか、彼は勢い良く私を視界に入れるとだんだんと口角が上がっていく。
それはもう、顔に布をつけていても分かるくらいに。
rbr「同業殺し様や!!!!!!!」
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野菜 - 文才ありズキィ!!!絵も凄いですねぇ… (2020年12月25日 22時) (レス) id: 13d957e87a (このIDを非表示/違反報告)
世阿弥 - 更新頑張ってください!!応援してます。 (2020年12月22日 23時) (レス) id: 6e54989a60 (このIDを非表示/違反報告)
白玉色の赤えのぐ - あと更新がんばれください!!!! (2020年11月11日 20時) (レス) id: 199b62a433 (このIDを非表示/違反報告)
白玉色の赤えのぐ - 貴方めっちゃ絵上手いですね!貴方めっちゃ絵上手いですね!貴方めっちゃ絵上手いですね!(大事な事なので三回言いました) (2020年11月11日 20時) (レス) id: 199b62a433 (このIDを非表示/違反報告)
まつり(プロフ) - 雫さんの文章表現力と画力が大好きです!すっごく、すっっっごく尊敬しています!陰ながらですが、これからもずっと応援しています!!あまり無理はなさらないように…! (2020年11月8日 22時) (レス) id: 83f48e582b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:零 | 作成日時:2020年5月23日 15時