コナン君だけお引き取り下さい。II【沖矢昴】

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ー沖矢昴))S.A sideー



面白い顔をする奴だ、と改めてそう思った。目の前でころころ顔を変える彼女を面白がる反面、これで良かったのかとボウヤに再度確認すれば強く頷かれた。



『昴さん、じゃ無いんですね？』



ここで変装を解いても良いのだが、まだ論文を書かなくてはならないし。風呂の時間には早すぎる。

せめて論文を書いてボウヤを家に帰してから風呂に入り、その後赤井秀一として彼女に重要な事を話そうと考えたのだが。



僕帰らないから、と口パクでボウヤに言われてしまっては駄目だ。




沖「コナン君、お風呂に入ってきても良いですか？」

江「……まだ夕方だけど」

沖「僕が入り終わったらコナン君もどうぞ。それとも、先に入りますか？
今日は泊まるんでしょう？」

江「…ううん、昴さん先に入っていいよ」




「僕はまだ話す事あるから」と彼女と向き直ったボウヤ。ふっと彼女を見れば『声が、え？』と頭に大量の疑問符を浮かべながらボウヤと俺を交互に見ていた。これは出会ってからいちばんの困り顔だな。

結構結構…相変わらずの面白い顔だ。




沖「それじゃ、僕はお風呂に行ってきますので。
コナン君、すみませんが家の事お願いします」





わかった、と元気の良い返事を聞いて風呂に入る。きっと今頃ボウヤは彼女と話しながら家中の戸締りやらカーテンを閉めるやら…大変だろう。



まぁ、気分転換になると良いが___









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風呂から上がって鏡に向き直る。


普段ならここで有希子さんに教わったメイク術で沖矢昴に変わるのだが今日は違う。ボウヤが言うには、彼女に信じてもらうには俺が変装を解いた方が早いとの事。




大きく深呼吸して、平常心を保ちながら再びリビングに足を入れれば_____





『こ、ここ、コナン君…！不審者！不審者だよ！…あ、昴さんのお友達ってことも…？
けど此処は工藤邸だから工藤新一君のお友達？工藤新一君が君でコナン君で、コナン君は誰だ？ん？あれ？
昴さんがお風呂に行って？…は？』

江「落ち着いてAさん。今さっき戸締まりついでに誰もいないか確認したでしょ？

…落ち着いて座ってて」



『はい』





大混乱している彼女がいた。


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