【wrwrd】戦場で敵に惚れられたらしい

▽怪しい翠色 ページ10

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新兵を採用し、軍に入って訓練を行い始めてから約三週間程。互いの仲も良くなってきているらしく、
チームワークがものすごく良い。
動きとして目立つのは数人だが、
リーダー的立ち位置にいる子は思っていたよりも多い。戦争終結後以来の、いつもの平和な日常。


相変わらずショッピ君は私の補佐として働いており、
最近給料の値上げ相談を持ちかけられた。
…値上げて欲しいのは私も同じだぞショッピ君よ。




『ノゾム、一番隊の外周の先導を頼むよ』

nzm「了解しました」




訓練の最後にいつも外周を入れるのだが、
その先導をいつも彼に任せている。

そう、例の翠色の彼だ。


"『"希"という新兵に気を付けてね、ショッピ君』"
"syp「のぞむ、ですか？」"
"『あぁ』"



微かな違和感というか。
長年の勘、といえば格好良く聞こえるだろうか。

あの兵士が怪しいので、敢えて信頼をおいたフリをしている。実際、新兵を信頼するのだっていつも戦争で共に戦ってからだ。
早い段階で妙な動きをする奴は、
危険因子は早めに取り除いておきたいし。





『…はぁ、』




そういえば、総統があの場所に捕まったから1ヶ月程経つ。そろそろ国も安定してきているし、
あと数日もすれば処刑日時が決まるだろう。


____お前が斬れ

確かにあの男はそう言っていたが。
私がやれる訳がない。




…というか、
立場的にもその適役はいくらでもいる。
昇格したい人間がすべきだ。



ぼんやりとそんな事を一人考え、頷いて。
気づけば外周が終わったらしい兵士達が各自戻って来ていた。
やはりトップには、翠色がいる。
例の、"豚六"という兵士は真ん中くらいの順位で帰ってきた。あの時の、動機を言うときにあった威勢は嘘だったのか。そんな体力で兵士になれるとでも？？





『お疲れ様。今日は解散だ。

…あと、明日は訓練も無いだろうから一日ゆっくり休むと良い。身体が鈍らん程度にな』






そう言えば明らかに嬉しそうに顔を輝かせる生徒達。

各自解散、かと思いきや
とある一人の兵士が此方に向かって歩いてくる。

…噂をすれば、



tn「この後、お時間頂け無いでしょうか」



例の豚六君の降臨である。




『あぁ、構わないよ。
20時以降ならね。落ち着いたら部屋に来ると良い』



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