▽兵士の期待 ページ8
syp「それじゃ、自己紹介と入隊した動機を一人ずつお願いします」
隣に座るショッピ君の顔はだんだんと雲行きが怪しくなって来ている。
手元が上着の内ポケットに伸びかけているあたり、
ニコチン不足か。
早くない？？
あれ、さっき2本くらい吸ってませんでした？？
『ショッピ君、煙草吸って来ていいよ』
syp「あんた一人残せ無いんで」
チッ、と舌打ち付きで貰ったお言葉は有り難く頂いておくとして…。
このグループでラストなのだが、
事前に見ておいた資料に気になっていた子がいる。
丁度真ん中に座っている彼は、人一倍警戒心が強く、口元はきゅっと結ばれている。
軍の帽子のふちの下から覗く翠色の瞳はただ真っ直ぐに此方を見ていた。
「私がこの軍に入った理由としては____」
「___立派な兵士として、」
『良い動機だ』
大して聞いてもいない動機に相槌を打って、適当に感想を述べればそれで喜ぶと新兵達。
前二人の紹介が終わったところで、
ようやく例の翠色の瞳を持つ青年が口を開いた。
「情報部隊所属希望の
この軍の入隊動機は、
この国を内側から支えたいと思ったからであります」
思ったよりも立派な動機。
のぞむ。ノゾム。希。
名前にも込められた希望全開の彼に、惹かれないといえば嘘になる。こういう、真っ直ぐな兵士がいればいる程、軍はより強くなる。
『何故、情報部隊に？』
「この国の情勢は戦に勝ったとはいえ下層部の人間の暮らしが保証された訳ではありません。
そして今、それを支えているのがこの国の参謀。
的確な指示を出すには"確かな情報"を提示せねばなりません。
その役を、買いたいだけの事」
「この国を支えたいのです」と付け足した彼は、
此方の反応等気にもせず無表情だったそれに期待に満ちた笑顔を貼り付けた。
周りの兵士とは少し違うこの感覚。
後の二人の動機も聞いたが何も入ってきやしない。
覚えていたとすれば、
いちばん最後の新兵が緊張でぶっ倒れた事くらい。
『___いいだろう、君達五人、全員兵士として迎え入れよう』
息を吐き出しながらそう口にすれば、
やっと面談が終わったという解放感からため息が漏れる兵士達。
ただ一人、例の兵士だけは何の表情の変化を見せる訳でもなく、誰よりも早く退出していった。
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零(プロフ) - kouboukunさん» ありがとうございます！そう言って頂けると嬉しいです！多分は基本的に危なそうだな…という勝手な想像に共感してくれている様で何よりです…()これからも更新頑張ります！ (2020年5月24日 18時) (
レス) id: c17c74b3a4 (このIDを非表示/違反報告)
kouboukun(プロフ) - なんかこれを見て思いました・・・。総統の多分は危ない多分ですね(*´▽｀*)面白かったです！すごく夢中になって読める小説だし、奥が深くて、好きです！（突然の告白。）これからも更新頑張ってください！！ (2020年5月20日 16時) (レス) id: 6b5d77f9d6 (このIDを非表示/違反報告)
零(プロフ) - seruharu217さん» syp君についてはまだ出て一話目ですので、情報量が少なかった様ですみません…次の話辺りからもう少し詳しくするつもりですので、その際分かるかと…！（質問に添えていなかったら申し訳無い）ありがとうございます！そう言って頂けると嬉しいです！頑張ります！ (2020年5月15日 23時) (レス) id: c17c74b3a4 (このIDを非表示/違反報告)
零(プロフ) - もっちさん» ありがとうございます！今や社会はその話題で持ちきりですしね…無事元の暮らしが出来る事を祈るばかりです。今後も面白い作品に出来る様、更新頑張っていきます！ (2020年5月15日 23時) (レス) id: c17c74b3a4 (このIDを非表示/違反報告)
seruharu217(プロフ) - あの、すみません。ショッピ君ってどんな立場ですか？二人いる感じなんですかね・・・？このお話は好きです！更新頑張ってください！ (2020年5月13日 17時) (レス) id: e769def405 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：零
| 作成日時：2020年3月15日 14時
