16___油断ならぬ少年 ページ31
彼が帰っていった後、リビングに戻れば毛布にくるまってソファで眠るコナン君が見えた。
寝顔はやっぱ子供か…、
なんて事を考えながら、
ティーカップを洗う。冷たい水が目を覚ます。
江「…A、さん」
カチャ、と洗い終わったティーカップを台所に置いた時。慣れた高い声が聞こえてそちらに目をやれば、
ソファの方から顔を覗かせるコナン君が。
あれ、寝てたんじゃないの。
起こしちゃったな
コナン君の方へゆっくり歩み寄る。
喉が乾いてるかと思い、コップに冷たい麦茶を入れて手渡せば「ありがとう」とはっきり通る声がする。
『ごめん、起こした?』
江「ううん。大丈夫」
へらりと笑うコナン君の頭を撫でれば不思議そうな顔をされた。つい反射的に…
『コナン君…もしかして起きてた?』
少しだけ目を開いて、コナン君は笑う。
「寝てたよ」って返ってくる声に嘘偽りが無ければ良いけれど。
小学生らしからぬ、大人びた喋り方に、落ち着いた表情。
蘭ちゃんに聞いたところによると、両親は海外にいて今は毛利探偵事務所に居候しているらしい。
成る程。寂しい訳だ。
江「Aさん、大丈夫?」
『大丈夫だよ、
コナン君。一緒に寝ようか』
江「え、あ、ぼ…僕はここで大丈夫!」
『ソファは流石にダメだからな?
一緒が嫌なら、私は布団敷いて寝るからコナン君せめてベッドで寝てね』
頑なに断るコナン君を強制連行してベッドに運ぶ。
いや軽。
江「…本当に布団で寝るの?」
『え?あ、うん…?
子供は気にしなくていいよそんな事』
はは、と笑えば服の裾をぎゅっと掴まれた。
はい可愛い。推す。
死神だから気をつけろ、とは言うが…ただの可愛い小学生じゃないか。
「やっぱり一緒でいい」と少し恥ずかしそうにするコナン君に小さく笑って返した。
素直なのか素直じゃないのか、
『一緒で良いんだ』
江「だって…僕がベッドなのに、Aさんが床なのはなんというか」
いつか聞いた普段より低い声。
あー、コナン君の素の声ね。
江「だから、その…ありがとう」
.
943人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
加奈 - 関係無いけど。 (2020年3月16日 14時) (レス) id: b3d6820988 (このIDを非表示/違反報告)
加奈 - カッコイイな〜。モテるだろうな〜。 (2020年3月16日 14時) (レス) id: b3d6820988 (このIDを非表示/違反報告)
加奈 - 探偵ってカッコいいからな〜。 (2020年3月16日 14時) (レス) id: b3d6820988 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:零 | 作成日時:2019年11月23日 20時