コナン君だけお引き取り下さい。【沖矢昴】 (ページ26)

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はーい、哀ちゃんに嘘を吐かれて泣きそうになっている私です。

私は結局哀ちゃんの言う通り、本の山に隠れてこっそり寝ていた訳だ。あぁ、勿論周りには許可を頂いてね。「夜勤バイトお疲れ様です」って園子ちゃんに励まされたのは嬉しい。

『哀ちゃんどこだよ……』

そして、今___

起きたら部屋に誰もいませんでした。
いや、可笑しい。可笑しいって、何で？

一先ず部屋から出ようと立ち上がる。あーぁ、こんな事になるんなら来なければ良かった、と今日何度も思った事を再度考え直す。
外に行って宝石の入っている箱の方に行けば、

『あ、哀ちゃん』

灰「あら起きたの」

『あらじゃないよ…起こしてって言ったじゃんか』

灰「あと少し経ったら起こそうかと思って、
…ぐっすり寝てたから」

『哀ちゃん優しい』
灰「(チョロいわね)」

ふと箱を見れば、
そこにあったのはキッドのマークの書かれたカード。
あぁ、見逃したか怪盗キッド様とやらを。
ため息を吐きながら辺りを見回す。

…コナン君は？

『蘭ちゃん、コナン君知らない？』

蘭「え？あ…コナン君ならさっきトイレって」

コナン君トイレ近いな、なんて考えている場合じゃない。コナン君、それから居ないのは阿笠さん。
これは阿笠博士キッドだったとか。
興味は無いが確かめたいという感情が先に立ってしまう。

よく考えれば沖矢さんもいないし。

そんな事を考えながら自分もこっそりトイレに行く…が、

『私男子トイレ入れないじゃんね』

ま、いっか。
これって犯罪かな…けど、間違えたって言えばいいか

ガチャ、と音を立てた男子トイレの扉を開ける。

『へ、』

江「え」

沖「おや？」

『あははー…間違えました』

無言でドアを閉める。

待って待ってキッドどこやねん。
全て開けられたドア、コナン君はトイレから携帯を持って出てきて、沖矢さんは相変わらずポケットに手を入れていた。

という事は…
キッドが逃走済みって訳ね

帰るか…

何事も無かった様に戻ろうとした時、

江「待って待って！Aさん！」

『お願いします無かった事にしてください』

神様仏様江戸川コナン様。

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