02.包帯だらけの青年の信頼 ページ3
森さんに連れて来られたのは高い高いビル。
目ん玉飛び出るかと思う程に高そうな内装。
そして、威圧感が妙にある黒服の男達。
ビルに入った瞬間に変わる森さんだの雰囲気に息を飲めば「気楽にしてね」なんて笑う森さん。
舐めてるんですかね森さん
こんな場所で気楽にしたらその瞬間己の首が飛ぶ。今度こそ人生サヨナラだ。
「首領、其方の方は………」
森「今日から教育係を務める皐月A君だよ」
「そ、そうでしたか。し、失礼しました!」
ふと森さんが足を止めるから、それにつられて自分もピタリと足を止めた。
マフィアロビーから最上階に繋がるであろうエレベーター前に突っ立っているのは____
?「あ、森さん」
森「任務お疲れ様、報告は後で聞くよ太宰君」
記憶が無い事は秘密にしておけ、という森さんの頼みに従って余計な事を言わないよう口を噤む。
俺を捉えた青年の瞳が鋭く光る。
生憎だが俺は今みたいな人を査定する眼が嫌いだ。
森「彼は……今日から君達の教育係をしてもらう皐月A君だよ、宜しくしてね」
宜しくしてね、って何ですか幼稚園ですか。
こういう雰囲気はどうも慣れない。今の自分は何か別の雰囲気を知っているわけでは無いが。
自分の本能が危ないと危険信号を発している。
『どうも、皐月Aです。教育係を務めさせて頂きます』
太「そう。私は太宰、太宰治……随分と堅苦しい喋り方だね」
『教育係なので』
そう、自分と此奴は教育係と生徒。
立場をはっきりさせる事は大事だから、仕方ない。
太「ふぅん……あ、そうだ!中也には会った?」
『中也……?』
「まだなのか」と苦笑する太宰治。
妙に明るい彼の笑顔に蹴落とされる気がしてふっと眼を逸らす。それを逃すまいと彼は声を出した。
太「じゃ、またね。教育係さん」
名前では呼ばずにそう云って立ち去る太宰治。
成る程……教育前に信頼を得ないといけないらしい。
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ルイ - 面白かったです!頑張ってください!大好きです! (2020年8月2日 13時) (レス) id: c97e70c31b (このIDを非表示/違反報告)
翠翡(プロフ) - 作者様の色んな作品を読ませていただいております…本当、どれも大好きです……作者様のファンです…!無理せず、更新頑張ってください!(更新される度にお星様を押してるのですが無効化されてしまって…解せぬ…) (2019年8月19日 18時) (レス) id: b9f5a69d57 (このIDを非表示/違反報告)
557*ココナ(プロフ) - 新作…!トリップですか!!無理はしないでくださいね…? (2019年8月18日 21時) (レス) id: 5b405d618a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:零 | 作成日時:2019年8月14日 22時