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#無機質な笑顔の裏に ページ24

ー立原sideー


中原幹部に云われたのは鶴城Aをマフィアから追い出せ、との事だった。殺しは厳禁。そんな任務は簡単だと思っていた。ただ冷たくすればいい話。

俺も、中原幹部ですらそれでいいと思っていた。だから云われた通りにした。





___鈍間なンだよ___





俺が最初に云ったAへの反抗。反抗、というかは任務だが。


ひたすら冷たく、嫌いになれば向こうも嫌いになってくれると思った。それは皆同じだった。並大抵の人間ならとっくに折れてマフィアから抜けるか人生をログアウトするだろう。
なのに、





『あ、立原!今日は任務だったよね。お疲れ様』
立「……まぁな」
『え?元気無いね??』
立「………チッ、お前の顔見たからだよ」




『そっか、それは悪い事をしたね!』






Aは誰よりも明るく振る舞うのだ。


俺は半年も続かずにこの任務を放棄したかった。それは他の人間も同じだろう。中原幹部が何を考えているのかわからなくなったのは、確かその辺りだった。


四六時中笑顔な此奴に寒気すらした。それは中原幹部も同じ様でAが笑う度顔を歪めた。






立「おいA、この前の資料読んだか?」
『あ、読んでない……』


立「嘘だろお前……鈍間じゃなくて無能にもなったのかよ」







知っていた。



Aが徹夜で参謀をやって、太宰幹部の穴を埋めている事くらい。


読めないんじゃなくて、読む時間が無いのだ。睡眠を削ってまで読む奴はいないだろう。それくらい如何でもいい資料。




一瞬、Aの顔が曇る。やらかしたと自分で自分を殴りたくなった。

"無能"

そんな事はない。此奴は多分マフィアで一番優秀で努力家で、冴えている。だけど____





『ごめん、今日読んでおく!』





_____何で笑うんだよ





『じゃね、立原。この後仕事があるから』





_____何で平然と笑っていられる






立「……」





俺は何も云えなかった。

#黒外套の青年は→←#嫌いたい幹部



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★ayaka★(プロフ) - 面白かったです。すれ違いながらも互いを思ってるって良い話でした。 (2019年10月31日 1時) (レス) id: 65fd904e63 (このIDを非表示/違反報告)
燐華(プロフ) - 作品、29件ほど表示されましたよ。私の方では正常ですね (2019年9月8日 8時) (レス) id: 7838562921 (このIDを非表示/違反報告)
鏡の国のアリス - 完結(?)おめでとうございます!私此の作品だいっすきです!応援してます!お疲れ様でした。 (2019年9月7日 16時) (レス) id: f685bf0ca1 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 赤珠さん» ご報告ありがとうございます!申し訳ない、ホムペ利用小説が未公開になってました……()公開しました! (2019年9月3日 22時) (レス) id: c17c74b3a4 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - すみかさん» ご報告ありがとうございます。他の作品もですか……本当に嬉しい限りです、ありがとうございます!!! (2019年9月3日 22時) (レス) id: c17c74b3a4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2019年8月14日 16時

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