#嫌いたい幹部 ページ23
Aが傷だらけで帰ってきたあの日から数年。彼奴は笑いが上手くなった。悪い方向へ。
俺は幹部になった。
あの日に俺が決めた事はマフィアでA以外が知っていた。
『中也さん中也さん』
中「何だよ騒ぐな、五月蝿ェ」
『ごめんて』
よく謝る様にもなってしまった。
俺は此奴を追い出す、即ち救う為に嫌われる捨て身の策を取った。俺がAを嫌いになれば、Aがマフィアを嫌いになれば此処から出て行くと思っていた。
中「用が無いなら出て行け」
だから冷たい対応を取った。好きでやってるんじゃない。此処から出て行って欲しくて、安全な世界に行って欲しくて。
まだAは白い。俺には眩しいくらいに。
人を殺すという事に躊躇いがあるうちはまだ間に合う。
お願いだから、俺を嫌いになってくれ。
『報告書だよ中也さん』
中「そこ置いとけ」
『うん』
必要最低限会話をしなくなった。Aの顔を見ずに返事をしても、彼奴がどんな顔をしているかはわかる。
彼奴はずっと笑っている。
手元の資料に逃げる様に視線を落とせば、『それじゃ』と云って扉に手を掛けた。一瞬彼女が振り向いた気がするが気の所為だ。全部気の所為。故に気にする事は無い。大丈夫、全部Aの為_____
バタン、と無機質な扉が閉まる。妙にその音が耳から離れなくて気を紛らわそうと音楽をかけた。それでも音は頭から離れない。
___『じゃぁね』___
こうなる事はとっくに分かっていた。Aが眠っていた時から嫌な予感はしていた、けれど何がどうなっているか探っても掴める情報は噂だらけ。
中「…如何しようも無かった」
これはただの言い訳。
それは分かっているが、他の打開策なんて見つかる気配もなく_____
それでもAは俺を嫌ってくれなかった。
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★ayaka★(プロフ) - 面白かったです。すれ違いながらも互いを思ってるって良い話でした。 (2019年10月31日 1時) (レス) id: 65fd904e63 (このIDを非表示/違反報告)
燐華(プロフ) - 作品、29件ほど表示されましたよ。私の方では正常ですね (2019年9月8日 8時) (レス) id: 7838562921 (このIDを非表示/違反報告)
鏡の国のアリス - 完結(?)おめでとうございます!私此の作品だいっすきです!応援してます!お疲れ様でした。 (2019年9月7日 16時) (レス) id: f685bf0ca1 (このIDを非表示/違反報告)
零(プロフ) - 赤珠さん» ご報告ありがとうございます!申し訳ない、ホムペ利用小説が未公開になってました……()公開しました! (2019年9月3日 22時) (レス) id: c17c74b3a4 (このIDを非表示/違反報告)
零(プロフ) - すみかさん» ご報告ありがとうございます。他の作品もですか……本当に嬉しい限りです、ありがとうございます!!! (2019年9月3日 22時) (レス) id: c17c74b3a4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:零 | 作成日時:2019年8月14日 16時