▼配信52 ページ13
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ut「グルッペン、お茶でええ？今珈琲きらしてて」
gr「あぁ、すまんな」
こっちこそ、深夜に呼び出してごめん。
そう言えば、気にするな、といつもの調子で返された。ソファに座って眠ってしまったAの頭を膝に乗せながらグルッペンは背によりかかって深いため息を吐いた。
gr「いや…まさか、今になってこうなるとは」
ut「Aのこと、初めて聞いたわ。そんな事あったのに、俺らなんも知らんかってん」
gr「いずれAが落ち着いたら自分でメンバーに話すと言ってたから、黙ってたんだが…」
ut「そっか」
ぽつりぽつりと言葉を紡いでいくグルッペンは、右手でコップを手にした。左の服の袖をAに強く握られているから無理に動かせないのだと。こうしてみると、やはり寝顔は幼い顔立ちだと改めて思う。
高身長でいくら美形でも寝顔はあまり変わらないようで。
gr「あの会社とは取引先で、俺も縁があってな。
Aと会ったのは社内なんだ。
見送りがA1人でやってくれて、酷く疲れてる様子だったから大丈夫かと声をかけた。それであまりにも死にそうな顔をするものだったから、連絡先を渡したんだよ。
何かあったらすぐ連絡きてかまわない、と」
ぐっすり眠ったAの顔には薄らと隈ができていた。
gr「それから数日後、本当に電話がきてな。
22時過ぎだったか…今みたいな状態で、たすけてくれ、って、駅まで迎えに行ったらトイレの個室で大号泣してたよ」
「あれはほんまに焦ったわ」と軽く笑いをこぼしたグルッペンは、眠るAの髪にさらりと指を通した。
gr「衣服も酷く乱れてるし、きつい香水の匂いはするし、何より会社の噂もあったから俺はすぐ察した」
ut「噂?」
gr「色々あるやろ？社内い じめとか、労働問題とかそういうの。あの類がひどかったんだ、あの会社」
ut「あ」
バラバラになっていたパズルがだんだんとつながっていく感覚がした。
疲れ切って、その上痩せたAの身体を運んだあの時、何で俺はもっと話を聞いてやれなかったのかと俺は眠るAに小さくごめんと呟いた。
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コム＠ヘラ鳥推し(プロフ) - 完結おめでとうございます!!!!! (2022年12月10日 13時) (
レス) @page25 id: 3acc1adf96 (このIDを非表示/違反報告)
りぃ - 完結お疲れ様でした！話の内容や書き方、全てにおいて好みでとても楽しく読ませていただきました。これからも頑張ってください！ (2022年12月10日 11時) (レス) @page25 id: ed9e6e4b74 (このIDを非表示/違反報告)
にの - 長い間、お疲れ様でした。零さんのお話の書き方はとても丁寧で読みやすかったです。これからも応援させていただきます。 (2022年12月9日 21時) (レス) id: 11a3c31381 (このIDを非表示/違反報告)
りぃ - 沢山の更新嬉しいです、ありがとうございます!! (2022年11月30日 7時) (レス) @page12 id: ed9e6e4b74 (このIDを非表示/違反報告)
にの - この作品の主人公くんが大好きです。更新お待ちしてます！ (2022年11月19日 18時) (レス) @page5 id: 11a3c31381 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：零
| 作成日時：2022年9月10日 14時
